一日停電しただけで大騒ぎ。
電気毛布を使えないまま冷え切った布団に入り、凍えた夜を過ごした時に思ったのは能登地震で被災された方たちのこと。
いつ復旧するのか誰も知らない現実の中で「もう涙も出ない」と云っていた被災者の姿を見て、他人事ではないと改めて緊急事態に備える必要性を感じた。
私の車には数年前から寝袋が3つ載せてある。
地震や災害が発生した時にと思って、邪魔だけれど一人分の席を占領している。
玄関には旅行の時に使った大きなスーツケースが2つ置かれていて、中にはルンバと私の夏・冬用衣類が詰まっている。
数日前に停電した時に役立った100均で買った電灯もベッドサイドだけではなく、家中の方々置かれている。
寝る時には、スマホに免許証やお薬手帳などが入ったバッグを枕元に置き、逃げる場所も家族で話合って決めている。
処方されている薬は、夫婦それぞれが取っ手の付いた軽い布製のケースに全て入れてあって、それを持って車に乗れば逃げることが出来る・・・・と思っている。
道路が大丈夫ならと云う条件が付くけれど。
しかし、昨年秋頃からルンバは腰を痛め、買出しの荷物は全部私が運ぶようになった。
「急いで逃げる自信が無いので、もしもの時は私を置いて行って」とルンバは云う。
一瞬、「そうか。それなら俺だけ逃げる」と云いそうになったのだけれど
「動けない時は俺が背負ってでも一緒に逃げる」と云った途端、少しだけルンバの顔がニヤリと変化したように見えた。
スーパーへ行くとカートを押す彼女は別人になることを思い出した。
凄いスピードで広い店内を行ったり来たりするのだ。
もしかしたら、既に腰の調子は良くなっているのではないだろうか・・・・・
奴め・・・・・俺を試したな。