北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

アマテラス

2022-02-20 21:37:47 | 日記
三角の屋根や尖っている木の枝が優しくフワリとパッケージされていく。
しかし、この優しくと云うのが悪魔の企みだ。

悪魔には黒と云うイメージがあるが、実は白い悪魔もいる。
白い悪魔の方が音も無く忍び寄るため性格が悪い。

中には綺麗と勘違いをする人がいるけれど、既に悪魔に支配されている証拠だ。
まるで性悪女のように心に忍び寄るが私は騙されない。

パウダーのようだった細かな粒が私の心に反発するように大きさを変えた。
僅かな空気の流れを捉えて舞う。
全てを白に変えないと気が済まないのだろうか。

だけど奴らは知らないのだ。
すぐ近くに太陽神アマテラスが来ていることを。


ルンバが着替え始めた。雪かきの準備だ。
私の必死の抵抗に「もう良いから」と口を閉ざした。
雪が降るたびに繰り返される「溶ける派」との言い争いが面倒になったのだ。

仕方なく私も5分遅れで着替えて外へ。
降雪量27センチ。水分を含んでいる雪は重い。
予報では昼には出てくるはずのアマテラスが顔を出さない。
2時間も重い雪と格闘し、体力も限界に思えた時にやっと現れたアマテラス。

「遅ぇんだよ」と悪態を付いたら、臍を曲げたのかすぐお隠れになった。

と、そこへやって来たジュニアの車。
除雪した場所へ車を入れ、何と車から家庭用除雪車を下ろし始めた。

重い雪で爺婆が苦労しているだろうとの気遣いだ。

エンジンをかけて雪を吹き飛ばす助っ人は堂々と遅刻した気難しいアマテラスよりも頼りになる。

ジュニア嫁も私の倍近いスピードで雪を除け始めた。

私は急に気が緩み倒れそうになった。

思いっきり疲れたのでルンバも夕食は作りたくないだろう。

夕食はテイクアウトの美味しい天丼にしてジュニア宅にも届けようと決めた。

計略

2022-02-19 20:54:12 | 日記
「明日は雪だからね」とルンバの尖った声。
その後に続く言葉は「だから頑張るよ」だ。
もしかしたら「頑張れよ」かも知れないけれど、とにかく雪かきをしなければならないらしい。

テレビの天気予報を観てみると、深夜から昼頃まで雪だるまのマーク。
比較的大きめの雪だるまがナナメになって表示されている。

雪だるまの大きさで降雪量を表し、ナナメになっていることで風の強さを示しているのだろう。
つまり………吹雪ということだ。

(いやぁ……吹雪かぁ) と思いながらジックリと画面を見ると、昼には雪から曇りに変わり、その後には太陽のマーク。

そして気温は少しだけプラスになっている。

と云うことは「溶ける派」としてはまだ希みがあると云うことだ。

今ここで「溶けるみたいだよ」なんて言っては気合の入っている「除雪派」の司令官に怒られるだけだ。

ここはスリスリを味方につけようと思い、ルンバが台所仕事をしている隙を狙ってテレビ画面を天気予報に切り替え、「明日は午後から晴れて気温も上がるみたいだねぇ」と何気なく説明したのだけれど、彼女は興味が無いようでスマホに視線を戻した。

こうなったら勝負は明朝だ。
寝坊したフリしようか。
怒られるだろうなぁ…………きっと。

俺に訊くな

2022-02-18 19:52:22 | 日記
コインランドリーから女性の下着を取った所を店内に戻ってきた被害者の御主人に見つかり取り押さえられた人がいる。

「ただ見たかっただけ。盗もうとしわたけではない」と云っているそうだが、
「見たかったら買えば良いじゃない」と憤慨するルンバ。

「新品の下着ならダメなの?」と云う視線の先には私がいる。
どうやら私に訊いているのだ。

「何で俺に訊く。俺はパンツになんかに興味は無い。」
いや、正直に書くと「少ししか」興味が無い。

「俺はパンツなんか盗んだことが無いのに何故俺に訊く」と今日の夫婦喧嘩はパンツ問題が開戦の口火となった。

砂かけ婆め

2022-02-17 20:48:58 | 日記
インターホンが壊れた。

ずーっと調子が悪くて通話スイッチがなかなか入らず困っていたのだが、来客が多いわけでもなく、通販の何かが届くのも年に数回しかないので、時々調子の良いときだけ接続する通話スイッチに運を託していた。

しかし、そのスイッチがついに完全に自分の役割を放棄し全く反応しなくなった。

電気店に行ってみると、最新型がズラリ。

配線しなくても電波で飛ばすのが主流で録画もできるし電話のように子機まで付いているのがある。
高級品になると、留守していてもスマホに来客の映像が入るようだ。

う~~ん と迷って結局最も古くて安いタイプ、つまり今までのと同じく子機も無い有線で接続するタイプを選んだ。
だって、色々なことが出来ると云うのは色々なことを覚えなければならないと云うことだから面倒だ。

「自分で交換できます」と書いてあるのに、「交換工事には電気工事士の資格が必要」と書いてある。
(どっちなんじゃい) と一応ツッコミを入れたけれど、電気工事士さんにお願いすることにして帰宅。

今日、その工事が終わって通話のスイッチを押すと無事に会話できるようになった。

ルンバと交代で外に行き新しいインターホンの映り具合や声の大きさをチェック。
「宅配便でぇす」なんて言って遊んでいる。

陽が落ちてスリスリが帰宅。

今度はルンバと二人で闇の中での映りや門灯を点けた時の具合を確認していたが、
闇の中に浮かび上がるルンバの顔はまるで亡霊。あの鬼太郎に出る「砂かけ婆」に見えてしまう。

「今度はお父さんが外へ出なさい」と拒否する私を部屋着のまま零下の外へ放り出す女ども。

私はまた「宅配便でぇす」と云うのだが反応が全くない。何も聞こえない。
「どうした❔ 宅配便だよ。コンドームのお届けでぇす」と近所に聞こえるかも知れない大声を張り上げたが全く反応が無い。

家の中に入って「何も聞こえないぞ」と云ったらどうやら通話のスイッチを押し忘れていたらしい。

寒い中、外へ追い出したくせに「スイッチを押せよ」と怒る私に
「今度は忘れずに押すからもう一回外へ出て」と云う薄情な奴ら。

「うっせえわ。凍るわ。」とすっかり臍を曲げた私。

アイドル

2022-02-16 18:04:48 | 日記
マツダのボンゴフレンディと云う車を知っているだろうか。

屋根の部分がテントのように上がって、寝る時にはヨッコラショと掛け声をかけてよじ登る。
車内には100ボルト電源もあって退職したらこの車を買って日本中を車中泊旅行しようと決めていた。

その手始めにとボンゴフレンディの大きさに合わせて車庫を建てた。
リモコンで開閉するシャッターまで付いている立派なものだ。

大工さんは、まだ敷地に余裕があるからと車庫の後ろ部分を大きく延ばしてタイヤ等を置けるように物置との二世帯住宅風にしてくれた。

それなのに退職した時には既にボンゴフレンディの生産が終了していた。
ディーゼルエンジンが環境を汚染すると云うのが主な理由らしい。

その憧れだった車が生産中止から15年以上過ぎたのに走っているのを見た。
さすがに旧車感は拭えないが私にとっては今でも憧れのアイドル。

あれに乗って走りたかったなぁ………日本中を。