病み上がりに、とんでもない男が遣って来た。
この歯ぐきまで曝け出して笑ているのは
私の学生時代の友人の太田だ。
30年ぶりでの再会で、
九州出張に合わせて、遊びに来てくれたのだ。
開口一番、
「高江~、お前一つも変わらんな~!」と、歯ぐきを出して笑った。
彼とは、名古屋市内の栄養士の専門学校の時の同級生で、
腰巾着の様に、いつも私にくっ付いていた。
彼は、三重県の田舎の出身で、都会の目まぐるしさや雑踏に、
驚いてばかりいる、うぶな田舎者であった。
私に連れられて、初めて食べたロッテリアのハンバーガーが忘れられないと言う。
太田の人生において、良きにつけ、悪しきに付け、
私の与えた影響は計り知れないと、本人は言う。
学校を卒業後、私は外食産業の道へ
太田は、「自衛隊付きの栄養士に成れるかも知れない」という、甘い誘いに乗って、
自衛隊員になった。しかし、35年間、自衛隊員のままであった。
定年するときには、2佐にまで出世していた。
2佐と云えば、昔の中佐である。凄い!
防衛大出では無く、一般隊員でここまで出世するのは、よほど水が合ったというのか?自衛隊の生活が、彼にはピッタリ来たのであろう。
そして、今回一番驚かされた事があった。
「高江~、お前に見せたい物がある。」と、笑いながら取り出したのが、
この、マスターズ世界記録認定書であった。
じぇじぇじぇじぇ~、何と水泳の世界記録保持者になっていたのだ!
種目は 混合 4×100mリレー
年齢区分 200~239歳の部門
記録 4分55秒36
と、書かれている。
マスターズなので、年齢別での争いであるが、それにしても、世界記録とは
驚きである。
現在、目指しているのは、個人部門での世界記録だそうだ。
「80代、90代で取ろうと思っている。50代とか60代は、競争が激しいので、難しいが、他の人がみんな弱ってくる
80代頃が、ねらい目なんだ。」という。
何と、壮大で、セコイ目標なんだ!と、聞いていて楽しくなった。
写真を撮るとき、必ずピースマークをするのも、30年前から変わっていない!
体つきも、昔のままだ。
この男は、進歩しないのだろうか?
我が家の、ピザの持成しに感動し、翌日、別府市内の温泉に感動し、大喜びで
帰って行った太田である。
私は、「嘔吐下痢症」と、診断を受けた翌日だったので、ちょっと、
元気に為りかけていた所の元気を、すべて持って行かれました!
次回、太田と会うのが楽しみである。
このブログの応援をこめて、下のバナーを ポチッと押して下さい!
ワンクリックありがとうございました。