この本も確か朝日新部の下の書評を見て図書館に予約したと思った。そう日頃から、コメンテーターやニュースやワイドショーの報道についておかしなことをいうなあ〜、一側面だけ見ればコロナ感染者が最大とか、いつも言っているけど、1年前と比べてどうとか、1ヶ月前とクラバ手動とか、他国の増加率と比べてどうとか、総人口の対する比率はどうとかの情報なしには、言ってることの意味は全然わからないし、意味も違ってくるのに、どうしてTVなどはこのような情報を垂れ流すのかと呆れていた。この本はそのような疑問を持つことが正しいことを教えてくれるとともに、空気読めない人だなあと批判されるのを恐れないで、そのような発言をすることを後押ししてくれる内容だ。
「ファクトフルネス」 「事実に基づく世界の見方」を示す|好書好日冒頭、世界に関する13の質問が登場する。「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」。20%、40%、60%の3択から評者は20%を選んだ。正解は60%。公衆衛生学の研究者である著者らが行った調査では正解率は7%だった。他の質問も正解率は低い。
勘違いするのは、悲観的に見ようとする「ドラマチックすぎる世界の見方」が人間の「本能」として脳に組み込まれているからだという。
その本能を、「世界は分断されている」と思い込む「分断本能」、「世界はどんどん悪くなっている」と思い込む「ネガティブ本能」等々に類型化。勘違いを排し、正しく判断するよう、「事実に基づく世界の見方」、ファクトフルネスを習慣づける方法を示す。
例えば、低所得国に住むのは世界の人口の9%で、75%は中所得国に住むという事実は、既存の世界観の書き換えを余儀なくさせる。
メディアの責任も問う。「あなたに気づいてもらうために、ドラマチックな話を伝えようとする」と。メディアとかかわりのある評者も自戒。
「この本を読み終えたら」「心が軽くなり」「希望が持てるようになるはず」との記述に納得した。=朝日新聞2019年2月2日掲載
下にあるように本の最初に13の質問があり、正しく答えられるかをテストさせられる。真実と自分の認識がいかにずれているかを思い知らされる。例えば、女子の初等教育終了率、貧困なヒトは20年でどう変化したか、平均寿命、2100年の子供の人口、自然災害で亡くなる人の数は過去10ん絵で同変化したか、予防接種を受けている人は世界で何%など。
そして、この13の質問を世界中の識者に質問して得られる正答率はチンパンジー以下(チンパンジーは当てずっぽで回答しても33.3%の正答率だ)の10%前後が多いということは、ある意味衝撃的だ。なんと、ドキュメンタリー制作に関わる人の正答率もチンパンジー以下だそうだ。それくらい、人間というのは先入観で判断して、メディアのセンセーショナルな報道によって、フィルターがかかってしまっていることに驚く。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 | ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, 関 美和 |本 | 通販 | Amazon本書のテーマはシンプルで
「我々の思い込みの強さは想像以上で
その思い込みにより世界をありのままに見れないということ」につきる。
たとえば、3つのうち1つが正解の問題に出会した時。「人間が何か選択しようとしたとき」の正解率はなんとチンパンジー以下だという。
以下のサイトには著者がTEDトークに出た時の動画がある。
【書評】ファクトフルネス(FACTFULNESS)を読んでの要約と感想 | masalog(マサログ)【13問クイズ】先入観(思い込み)が覆されるクイズ
クイズの内容は、教育・経済・人口・医療・環境など関する13問の3択問題です。
そして、驚きだったのがその正解率が平均で2問だったということです。
例として、1問目だけ紹介します。
問1
現在、低所得園に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
A: 20%
B: 40%
C: 60%
ネタバレになるので答えは、本または下記のハンス・ロスリング氏が行ったTEDトークを見てください。
TEDトークでは一部のクイズがユーモア溢れるスピーチと共に紹介されています。
本は、以下の目次のように、人間の本能として、事実と異なった判断をしやすいことを指摘する。
人類が抱える10の思い込みについて
人類は下記の10種類の本能で「ドラマチックすぎる世界の見方」(思い込み)を作り上げているようです。
1. 分断本能(世界は分断されているという思い込み)
2. ネガティブ本能(世界はどんどん悪くなっているという思い込み)
3. 直線本能(世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み)
4. 恐怖本能(危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み)
5. 過大視本能(目の前の数字がいちばん重要だという思い込み)
6. パターン化本能(ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み)
7. 宿命本能(すべてはあらかじめ決まっているという思い込み)
8. 単純化本能(世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み)
9. 犯人捜し本能(誰かを責めれば物事は解決するという思い込み)
10. 焦り本能(いますぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み)
面白い本でした。日頃思っていることを本の形や真のデータで示されると、なんか自分の中の価値観が変わるような気がする。刺激的でした。
以下にいつものように、気になったキーワードを列記する。
ー ファクトフルネスとは.....話の中の「分断」を示す言葉に気がつくこと
ー ページ78−81に「減り続けている16の悪いこと」、「増え続けている16の良いこと」がグラフで紹介されている。
ー 一人あたりのギターの本数が1960年を1とすると2014年には1万1000本になっている。すなわち好きなことを自由に楽しめる時間が増えている=社会が豊かになっているということ
ー ファクトフルネスとは.....ネガティブなニュースに気づくこと
ー「悪い」と「良くなっているは両立する」
ー ファクトフルネスとは.....「グラフはまっすぐになるだろう」という思い込みに気づくこと
ー テロ事件の数は世界中で増え続けている。しかし、レベル4(富裕国:日本も入る)の国に限っては、実はテロの数は減っている
ー あなたの大切な人が酔っぱらいに殺される確率は、テロリストに殺される確率より約50倍も高い
ー ファクトフルネスとは.....「恐ろしいもには、自然と目がいってしまう」
ー ファクトフルネスとは.....「ただひとつの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと」
ー ファクトフルネスとは.....「ひとつの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくこと」
ー 1990年代、イランには世界最大のコンドーム工場があり......
ー ファクトフルネスとは.....「いろいろなもの(人も、国も。宗教も、文化も)が変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくこと」
ー たとえば、「自由市場」といえばシンプルで美しい概念に思えるけど、それだけを信じ込めば、世界をひとつの切り口でしかみられなくなってしまう
ー 妊婦の命を救うには、地元の病院への交通手段を整備することがいちばんだ。
ー ファクトフルネスとは.....「一つの視点だけでは世界を理解できないと知ること」
ー 難民という節で、ではどうしてボロボロのぼーとなのだろう? (難民に使ったボートは国に没収されるので...)
ー ファクトフルネスとは.....「一つの視点だけでは世界を理解できないと知ること」
ー ファクトフルネスとは.....「誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくこと」
ー ファクトフルネスとは.....「いますぐに決めなければならないと」と感じたら、自分の焦りに気がつくこと
以下のサイトに色々なきれいなグラフが載っています。
gapminder
私の価値観に対してとても刺激的な本でした。