2月14日から18日、私の所属している自動車技術会の“くるまからモビリティへ”の技術展というオンラインイベントが有った。
“くるまからモビリティへ”の技術展 ONLINE / KuruMobi Tech Expo Online - from Cars to Mobility
その中で、毎日3テーマくらいの講演があったのだが、最終日の以下の講演が興味深い内容だった。
今、世の中はエンジンからEVという大きな変革の流れがうねっているのだが、EVに使われる、リチウム電池やモーターに使われる磁石のネオジウムの採掘はひどい環境破壊の上で成り立っているという事実である。リチウムとかネオジウムは希少金属、レアメタルということは知っていたが、その採掘に関しては私は無知であった。下の講演で岡部さんというのは東大の生産技術研究所の所長なのだが、リチウムやネオジウムの採掘は、どのように行われているかを紹介していた。リチウムとかネオジウムにかかわらず、希少金毒の採掘は、それは希少金属なので1000tonから例えば1Kgがやっと採掘されるということであり、999kgは採掘の際のごみとなるわけである。そして、ネオジウムだと思ったが、その採掘の際にはそのゴミの中に放射性金属が含まれるのだそうだ。すなわちかんたんには捨てられない。また、岡部さんは採掘現場を見るのが趣味だと言われていてが、その採掘は土というか岩盤のようなところに硫酸を注入し、すると金毒が溶け出し、その溶解した金属をプールのような池にためて、それから、その金属をどんどん高濃度に濃縮して、目的の希少金属を得るというプロセスをとっているだそうだ。驚きであった。
“くるまからモビリティへ”の技術展 ONLINE / KuruMobi Tech Expo Online - from Cars to Mobility
この岡部さんという方は、あちこちでこれらの話をしているようだ。下にいくつか紹介しておく。
私が「レアメタル」の専門家になった理由 | 岡部徹 | テンミニッツTV
講演の動画もありました。したの参議院での講演では、13分辺りから採掘現場の写真の紹介などがあります。
参議院 2021年02月24日 資源エネルギーに関する調査会 #04 岡部徹(参考人 東京大学副学長・生産技術研究所教授)
下は50分で長いですが、今回私が聞いたのとほぼ同じ内容が見れます。30分くらいからはレアメタルで何が枯渇思想家など、30分50秒くらいから採掘現場の話が聞けます。
岡部徹「未来材料:チタン・レアメタル」ー駒場祭公開講座2017
その他、希少金属は枯渇するとかなんとかすぐ考えるのだけど、石油とは違って(石油もなかなかなくならないけど。。。)埋蔵量は全然問題ないのだそうだ。また、その他の話題として原子力エネルギー依存の話がよく出てくるが、エネルギーの火力や水力、原子力などへの依存割合が問題になるが、実はここ何年かエネルギーの総使用量は2割とか3割とか減っているようだ。技術の進歩によるのだろう。だから、原子力から火力へのエネルギー転換で問題だ、問題だというのは本当にそうなのかは疑問であるとのことであった。
私も長いこと生きているけど、技術屋として知らないことがまだまだありますね。この講演が聞けたのは非常に良かったです。参議院で話をしているのだから議員さんはどう思って、どう行動しようと思っているのかな?。まだ、先の話だし、そんなことより選挙のほうが大事なんだろうな。
“くるまからモビリティへ”の技術展 ONLINE / KuruMobi Tech Expo Online - from Cars to Mobility
くるまは、通信、電力、AI、インフラ、LCAといった分野の技術とつながっていくことで進化し、
今よりも便利で安全なモビリティ社会を実現していきます。
そのために、自動車技術会は、従来の自動車業界の枠組みにとらわれず、
自動車以外の技術領域の「知」を学び連携を深め、将来のモビリティに必要な技術を一緒に創って行く、
そんな展示会を企画しました。
モビリティの未来を支えるという思いを込めて、「“くるまからモビリティへ”の技術展」と命名いたしました。
その中で、毎日3テーマくらいの講演があったのだが、最終日の以下の講演が興味深い内容だった。
今、世の中はエンジンからEVという大きな変革の流れがうねっているのだが、EVに使われる、リチウム電池やモーターに使われる磁石のネオジウムの採掘はひどい環境破壊の上で成り立っているという事実である。リチウムとかネオジウムは希少金属、レアメタルということは知っていたが、その採掘に関しては私は無知であった。下の講演で岡部さんというのは東大の生産技術研究所の所長なのだが、リチウムやネオジウムの採掘は、どのように行われているかを紹介していた。リチウムとかネオジウムにかかわらず、希少金毒の採掘は、それは希少金属なので1000tonから例えば1Kgがやっと採掘されるということであり、999kgは採掘の際のごみとなるわけである。そして、ネオジウムだと思ったが、その採掘の際にはそのゴミの中に放射性金属が含まれるのだそうだ。すなわちかんたんには捨てられない。また、岡部さんは採掘現場を見るのが趣味だと言われていてが、その採掘は土というか岩盤のようなところに硫酸を注入し、すると金毒が溶け出し、その溶解した金属をプールのような池にためて、それから、その金属をどんどん高濃度に濃縮して、目的の希少金属を得るというプロセスをとっているだそうだ。驚きであった。
“くるまからモビリティへ”の技術展 ONLINE / KuruMobi Tech Expo Online - from Cars to Mobility
走るレアメタル(自動車用レアメタル)の生産に伴う環境破壊とリサイクルの重要性について
今や、自動車は走るレアメタルの塊となっています。
しかし一方で、レアメタルの採掘や製造に伴い、海外では環境破壊が進んでいます。
本講演では、レアメタルの現状と課題について概説し、レアメタルに対する誤解や偏見、さらには、日本では知ることが出来ない“裏の問題”についても紹介します。
岡部 徹 氏
この岡部さんという方は、あちこちでこれらの話をしているようだ。下にいくつか紹介しておく。
私が「レアメタル」の専門家になった理由 | 岡部徹 | テンミニッツTV
岡部 まさにそうです。ひたすらチタンの精錬をしたり、イットリウムというレアアースの高純度化にも夢中になりました。あまりに面白かったものですから、ドクターコースに行って、チタン精錬でドクター(博士号)を取りました。他にはニオブやタンタルなど、要するにレアメタルの精錬ばかりをやっていました。当時からレアメタルの「おたく」になっていたのです。
講演の動画もありました。したの参議院での講演では、13分辺りから採掘現場の写真の紹介などがあります。
参議院 2021年02月24日 資源エネルギーに関する調査会 #04 岡部徹(参考人 東京大学副学長・生産技術研究所教授)
下は50分で長いですが、今回私が聞いたのとほぼ同じ内容が見れます。30分くらいからはレアメタルで何が枯渇思想家など、30分50秒くらいから採掘現場の話が聞けます。
岡部徹「未来材料:チタン・レアメタル」ー駒場祭公開講座2017
その他、希少金属は枯渇するとかなんとかすぐ考えるのだけど、石油とは違って(石油もなかなかなくならないけど。。。)埋蔵量は全然問題ないのだそうだ。また、その他の話題として原子力エネルギー依存の話がよく出てくるが、エネルギーの火力や水力、原子力などへの依存割合が問題になるが、実はここ何年かエネルギーの総使用量は2割とか3割とか減っているようだ。技術の進歩によるのだろう。だから、原子力から火力へのエネルギー転換で問題だ、問題だというのは本当にそうなのかは疑問であるとのことであった。
私も長いこと生きているけど、技術屋として知らないことがまだまだありますね。この講演が聞けたのは非常に良かったです。参議院で話をしているのだから議員さんはどう思って、どう行動しようと思っているのかな?。まだ、先の話だし、そんなことより選挙のほうが大事なんだろうな。