砂糖と食塩は見た目では判別しづらい。取り違えて料理に失敗した人もいるだろう。
そういった固体の混合物の比率を、熟練した化学研究者は見た目で判断できる場合がある。ならば、AI(人工知能)を使えば、画像から比率を予測できるのではないか――。
朝日新聞で上のような記事を読んだ。
記事は有料のようなので、少し内容を紹介する。砂糖と食塩は、結晶は同じ立方体で、砂糖より食塩の方がより立方体に近いそうだ。しかし、その差はわずか。学習用に200枚、300枚の画像を学習させたが、うまくいかない。なぜなら、AIは、同じ写真を90度回転させたものを、物理的な位置関係が違うので、異なるものとして判断してしまうそうだ。そこで、さらに画像を上下・左右に反転させたり、角度を変えたりしたものを含めて学習させた。その他、写真の一部を切り出したものや、位置をずらしたものの混合比率を変えたりして、3万6千分のデータを学習させた結果平均誤差が3.9ポイントの誤差で識別できるようになったとのことだ。
他にも、赤い背景にイヌがいる画像と、青い背景にネコがいる画像をAIに与えた時、「赤=イヌ」、「青=ネコ」とAIが学習してしまい、青い背景にいるイヌをネコと間違えてしまうとのことだ。よって、同じ構図で、背景の色だけ変えてAIに学ばせることによって、予測が正しくなるのだそうだ。
なかなか、難しいですね。人銀はたくさんの色々な体験の結果、判断をしているんだなあということを改めて感じる。
この実験からもわかるように、自動運転で、イヌやネコを人間とは違うと判断して、イヌやネコを避けるために人間を危険に晒すようなことがに自動運転を実現するのは大変なことだと改めて思った。前から、コンピュータに安全を託すのは嫌だと思っていたが、それを具体的に説明するのはどうしたらいいんだろうと思っていたが、この記事がその一つの答えを示してくれたように思った。
AIが多くを学習して、最終的には実現するのだろうけど、人間を超えるレベルに到達するのは、結構時間がかかりそうだと思う。
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