ケンのブログ

日々の雑感や日記

進歩すればするほど

2019年06月04日 | 日記
ラジオを聞いていたら
政府は70代以上の人の人口に占める
認知症の人の割合を6パーセント減らすという
数値目標を取り下げるというニュースをやっていた。
認知症の予防法とそれを実施した場合の
結果との因果関係を証明する科学的に信頼できる
エビデンスがないということが
理由としてあげられていたように思う。
それとこういう数値目標を出すと
認知症の人は努力不足でそうなったという
誤った認識が流布する可能性が
高いということも指摘されたいた。
それはそうだと思う。
日本人は勤勉で真面目な人が多いから
認知症の人を減らすという目標など掲げたら
認知症の人は努力不足と受け止められる可能性が
出てくるというのはきっとその通りだと思う。
ある作家が戦後すぐに書いた小説を読んでいたら
痴ほう症は人間が長生きするようになってから
出てきた病気というようなことが書いてあった。
たぶん戦後すぐのころに痴ほう症と呼ばれていたものが
いまは認知症と呼ばれるケースが多いのではないだろうか。
そういう病気は人間が長生きするようになって
出てきたという作家の指摘は正しいように思う。
戦後すぐのころにもうそういう指摘があったことは
興味深いことだなと思う。
医療の進歩で人間が長生きするようになって
あらたな病気がでてくるようになって
その病気まで目標数値をかかげて
減らそうというのは一種のもぐらたたきで
あるようにも思える。
えんえんときりがない営みのように思える。
ほんとうにひとつ進歩すればまた
ひとつ問題が出てくる。
人間の歴史というのは個人のレベルでも
国のレベルでもそういうものなのだろうと思う。