乳がんの予防のために乳房を切除する治療が保険適用になることが厚生労働省の諮問機関で議論されることになりそうだと新聞に出ている。科学が進歩してこんなところまで来てしまったのかと思う。
科学が進歩してよかったという思いよりも、科学が進歩したばかりにがんの遺伝ということでも悩まなければいけないのかという思いがこみ上げてくる。もちろん当事者の女性で喜んでおられる方も多くいらっしゃると思うけれど。
切除の対象となる遺伝性のがんの家系とわかれば結婚にも悩むことになりはしないかとなんだか心配になってくる。知らぬが仏ですんだことが科学が進歩したばっかりに知ってしまって悩みの種になる。そんなことが多い時代になったなと思う。
新聞には「予防切除はがんの発症をおおはばに減らせるが生存率を上げるという十分なデータがなかったことから公的医療保険の対象外だった。近年、生存率をあげるというデータが報告され学会や患者団体からの要望もあり厚生労働省が検討を進めていた」と出ている。
患者のかたでこの切除による治療に希望を託しておられる方は喜びであろうと思う。しかし、生存率があがるというデータがどこまで信用できるのか、学会などの圧力があるのではないか、データにバイアスがあるのではないかという思いがなかなかぬぐえない。すべてはなるようになっていくと考えたい。