小さな幸せ

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花唄の頃へ

2020-04-01 13:46:32 | 読書

 

今村翔吾著

くらまし屋稼業

「花唄の頃へ」

 

花唄の頃へは

くらまし屋稼業シリーズの6

 

シリーズを重ねるごとに面白くなっています

 

くらまし屋

とは

諸事情で江戸から逃げたい人を

条件付きでにがしてやる仕事

 

くらまし屋七箇条

1.依頼は必ず面通しの上、嘘は一切申さぬこと。

2.こちらが示す金を全て先に納めしこと。

3.勾引(かどわ)かしの類でなく、当人が消えることを願っていること。

4.決して他言せぬこと。

5.依頼の後、そちらから会おうとせぬこと。

6.我に害をなさぬこと。

7.捨てた一生を取り戻そうとせぬこと。

 

主人公、堤平九郎がこの裏稼業をやることになったのには

事情がある

が、まだその事情をシーズン6になっても詳しいことは知らされてない

 

今回の仕事は、平九郎が一人で仕上げた

いつもは、頭の切れる七瀬や、変装名人の赤也という仲間が手伝うのだが。

 

今回の依頼は、同じ仲間のむじな達とつるんで、やんちゃをしまくっていた放蕩息子の一人

 

親の威を借りて、やりたい放題

その報いを受けることになったのである

それもふたりから狙われる羽目に

 

 

その大馬鹿者を江戸からくらましている途中のくだり

 

先刻、蘭次郎が畑に寄り過ぎていたため、穴を掘って潜んでいる者がいるかもしれないと腕を引いた。

すると蘭次郎は、

流石に大袈裟ではありませんか?

などと言って苦笑したのだ。

これが玄人と素人の最も大きな違いかもしれない。

あれほど怯えていたにもかかわらず、たった二日旅をして襲ってこなかっただけで、すでに気が緩み始めている。

人はいかなる苦境にも順応しようとする生き物で、このようにすぐに慣れてしまう。

これは心への負荷を減らそうとする本能なのかもしれない。

だが、優れた玄人ほど恐怖を心に留めて薄れさせない。

恐れは備えを生む知恵の源泉だと解っているのだ。

 

 

若者にこの時期、出歩くなと言っても、出歩く姿を思い浮かべてしまいました

私たちも、恐怖を心に留め、3つの密に足を運ばないようにせねば

 

物語はせつないものがありました

「お彩は鼻唄を、花の唄と間違えてお覚えてな。

春以外に唄っちゃ駄目・・・と叱られた」

う~ん、せつない・・・

 

でも読後感は悪くはありません

お勧めのシリーズです

 

コメント
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