「あるある。もう、そりゃ酷かったわ。その話しはもっと前の事になるんやけど、そん時の彼氏の浮気相手が私の友達やってん。そんでな、それも、うすうすバレてんのやけど、だれもツッコまへんから、二人してしらばっくれててん。そんでも、現場押さえたわけやないから、怒るに怒れんし、いらいらしながらしばらく様子見とったんやけど、しまいには、耐えられんやんようになって、彼氏に受験勉強するから別れてって嘘ついて、振ったったん。けど、やっぱりつらかって、その日の帰りの電車の中で思いっきり泣いたわ。余りの泣きっぷりに周りの人引いとったわ。そんで、何が悲しかったって、彼氏と友達、両方から裏切られたっていう悔しさが一番こたえたんな。そんで、身心ともにボロボロになってしもた。」
「それで、その人達とはその後どうなったの? 」
「そんなん、何もなかったように振舞えるわけないし、怒ったら負けやと思てたし、もう、なるべく顔会わさんように避けまくってたわ。二人はしれっとつき合っとったしな。」
「大変だったね。」
「ほんまやで。そんで、人間不信になってしもて、まだ高2やったから、世の中って、なんて汚いんやろって思った。まぁ、そのおかげで、人として成長できたけどなぁ・・・・・。あっ、なんか、思い出して泣けてきそうになったわ。悔しいでもう一杯飲んだろ。」
グラスのワインを一気に飲み干し、ワインを継ぎ足す。
フラれた事なんてないんだろうなと思っていた母の失恋話、そんな経験もしていたのかと思うと、より母の事が好きになった。
「それで、その人達とはその後どうなったの? 」
「そんなん、何もなかったように振舞えるわけないし、怒ったら負けやと思てたし、もう、なるべく顔会わさんように避けまくってたわ。二人はしれっとつき合っとったしな。」
「大変だったね。」
「ほんまやで。そんで、人間不信になってしもて、まだ高2やったから、世の中って、なんて汚いんやろって思った。まぁ、そのおかげで、人として成長できたけどなぁ・・・・・。あっ、なんか、思い出して泣けてきそうになったわ。悔しいでもう一杯飲んだろ。」
グラスのワインを一気に飲み干し、ワインを継ぎ足す。
フラれた事なんてないんだろうなと思っていた母の失恋話、そんな経験もしていたのかと思うと、より母の事が好きになった。