すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

「蒼のマハラジャ」

2006年01月04日 | 漫画・本
神坂智子さん、かなり好きです。
いえ、そういう割にはコミックスは友達が集めているので持っていないんですが・・・(苦笑)

神坂さんの漫画ってほんと面白い作品が多いんですよね。けして絵が上手い訳ではないのですが(神坂先生、ごめんなさい!!)、人の心の動きを描写するのが上手いっていうのか・・・キャラ達が自分の意思で考えて動いているって感じがする。ほんとイキイキと動いている感じがするのです。

このお正月、その神坂さんの代表作とも言える「蒼のマハラジャ」を再び読むことに・・・いえ以前にも読んだことがあったんですが、ラスト2巻がなくてどうなったのかウズウズしていた漫画だったのですが、ようやく揃ったそうで再び借りちゃいました(笑)

時は第2次世界大戦直前、イギリス統治下のインド。イギリス人の娘・モイラは父のインド大使という仕事の都合上、インドのラジャスタン地方の藩国であるジョドプールへ赴きます。そこでマハラジャ(インドの王様)の息子・シルバと運命的な出会いをします。インドを支配したいイギリスとイギリスからの支配から逃れたいインド。2つの国の思惑が交差する中、モイラは若くしてマハラジャとなったシルバと共にインドの為に奮闘するのです。

そして2人はその後に結ばれる訳なんですが、「インドの王様と結婚し、幸せに暮らしました、めでたしめでたし」というのではなく、インドの独立、そして同時に訪れたマハラジャの礎ともいえた王制の廃止という歴史の大転換、そして新たな国づくりと貧困、その地に根付く宗教、慣習、身分制度という当時のインドが抱える数々の問題に対し、若い2人が果敢に立ち向かっていく壮大なストーリーとなっています。

シルバに該当するマハラジャが本当にいたのか、そしてモイラと同じく外国人でありながらマハラーニ(マハラジャの妃)になって女性がいたかは判らないけど、きっと当時のインドではこういう苦労が沢山あったんでしょうね・・・シルバとモイラがひた向きに自分たちの国と藩民を守ろうとする姿、そして苦難が続こうともお互いを慈しむ姿は何度読んでも感動出来ます。

漫画好きの中でも評価の高いこの作品ですが、いかんせん絶版・重版未定なんですよね。しかも文庫とかも出てないし(涙)ちなみにネットで中古のチェックしたら全10巻セットで1万円っていう超高値がついてましたわ。復刊ドットコムでは交渉開始ラインになってますが、まだ復刊はしないようですし。
(注:2007年、文庫として復刊しました)

そんな訳で未読の方、内容もかなりお勧めですが、希少価値も高いので古本屋で見かけたら要チェックですよ~(笑)