すずめ休憩室

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「天才柳沢教授の生活」

2006年01月29日 | 漫画・本
「天才柳沢教授の生活」 講談社文庫。山下和美さんの漫画です。

Y大経済学部・柳沢良則教授の暮らしは、規則正しく、交通規則を遵守し、自由経済の法則にのっとっている!・・・と始まるこの漫画、道路は右側を歩き、横断歩道以外は渡らない、理解出来ないことがあれば徹底して考えるという「超」がつくほど真面目な柳沢教授を主人公としたコメディです。

車を運転しててもたいていスクールゾーンでもなかったら信号機のない横断歩道で停まったりしないし、あるいは自転車なら一時停止のトコでも停まらなかったりしませんか?踏み切りだって自転車に乗ったままって事も多いし、ましてや手で方向指示をする人なんて皆無ですよね?
でも柳沢教授は違う・・・法で決められたことはどんなことでもきっちり守ってしまうのです。

学校でも会社でも多数の人間が集まるトコロではどうしても「人の好き嫌い」が発生してしまう・・・だけど柳沢教授にはそんなことは皆無。「人間を知ることが、経済学の基本である」という信念の元にどんな人間でも興味深い研究対象なってしまうのです。そしてその偏見の無い洞察はどんな人とも親しくなる事に繋がっていくのです。
真面目すぎると時にうっとおしがられる事もあるけれど、柳沢教授がどんな人にも好かれるのは彼自身に裏表が無く、他から世間ズレして見える真面目な行動にも彼の信念があるからなんでしょう。

なんとなく日々、イライラしそうになる事があっても柳沢教授のように考えればストレスも軽減するかしら?などと思ってしまいました(笑)まっ、そこまでは自分は人間が出来てないから無理だろうけど、心掛けるようにします

そういえば、松本幸四郎さんでドラマ化になってますね、この漫画。
でもまだ山下さんの魅力に気付いてなかった私は見ていないのです・・・見たかったよ~!!

山下さんの漫画で「ダンディーとわたし」「不思議な少年」なども読ませていただきましたが、なんていうんでしょ、色んなカラーの引き出しを持っている漫画家さんですね。ここら辺が少女漫画雑誌だけでなく、「モーニング」など男性読者が多い雑誌でも人気がある理由なのでしょう。それでいてどれも心温まる作品なのもとても好きです。

さて一話完結で進んでいくこの心温まる作品、人間関係にちょっとストレスを感じている人にお奨めな漫画です。是非柳沢教授の課外講義を受けてみて下さい(笑)