すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

1リットルの涙

2007年04月17日 | 漫画・本
「1リットルの涙」 木藤亜也/KITA 

高校受験を控えた15才のある日。亜也はなんでもないトコロで転んでしまう。
たかが転倒、よくあること・・・そう思っていたのもつかの間、亜也の体は徐々に何かがおかしくなって行く。フラフラと揺れるように歩く亜也の姿をみかねた母は病院での検査を受けさせ、亜也の体に起こっていた現実を知る。
それは脊髄小脳変性症という不治の病だった・・・

本としても出版され、ドラマにもなった木藤亜也さんご本人の日記の漫画化です。
ついこの間のこの「1リットルの涙」の続編ドラマがオンエアされていたので知っている方も多いかもしれません

作画を担当されているのが「KITA」となっていますが、これは漫画家の「紺野キタ」さんのこと。思春期の少女の心の機微や心情を描くのがとてもお上手な漫画家さんなのですが、今回は「日記」という原作があるのであえて作画専用に「KITA」というペンネームを使っているそう
原作があるモノの漫画化というと大抵が省力されまくって、感動が薄かったり、原作との違和感を感じることが多いのだけど、これはその紺野さんが作画をしているとあってとても情感豊かに書かれています

本来私は悲しいお話を読むと心が沈んでしまうので、実はあまり得手ではないのです。
ですが、いっぱい活字として書かれている文章も細部まで判り良いのだけれど、この作品は漫画と言う受け入れやすさに加え、この紺野さんが折りなす柔らかな雰囲気と詩の様につぶやく主人公のセリフがあいまってとても読みやすく、その分心に切なく沁みる。

本を読むのが大好きな少女
文章を書くのが得意だった少女
普通高校でもトップレベルの学力を持っていた聡明な少女

そんな彼女が日に日にいう事を聞かなくなってゆく自分の体に戸惑いながらも真摯に向き合い、この病気の辛さを耐えてきた
くじけそうになる時、彼女を支えたのは素直な彼女の精神と愛する家族
その心を維持するために彼女も家族、そして友達もどれだけの涙を流したのだろう

その彼女がつぶやくようにささやくその言葉1つ1つが透き通るような悲しさとなって胸を突く

「神様、どうか助けてあげてください」と読んでいる誰もが思ってしまうことでしょう

15才というとても多感な時期
人前では泣くことをせず、心の中でいっぱい涙を流していた少女の日記
文庫として出版されているものだけでなく、漫画でも是非読んでみてください