暇に飽かして、読書三昧、至福の日曜日である。今は、白澤社発行三木清『人生論ノートを読む』岸見一郎著を読んでいる。三木は神戸の生まれで1高に進学、一高から京大へきている。京大では、西田幾多郎に師事京大卒業後は岩波書店の援助を得て ドイツへ留学。ドイツではハイデッカーのもとで学び、リッケルト達と交流している。
まあ当時の我が国では目を見張る秀才であり、哲学界切ってのサラブレッドであった。この頃我が国の青年たちは「人生とは何か」とか「死とは何か」と云ったことを全身全霊で考え学ぼうとしていた。
一方オソマツ君たちの高校・大学前期では、人生論は下火で誰も関心を示さずむしろ社会主義とは何か、マルクス・レーニン主義とは何かと云うことに興味が移っていた。
戦前は徴兵制があり、何時戦場で死ぬかもしれないという宿命から逃れることはできなかったし,戦後は米ソの冷戦がはじまっていたことを思えば一応は理解できるが、大きく括れば所詮は時代の枠の中での出来事で自由も自立も夢のまた夢といえよう。そして現代もまた敗戦時にアメリカが造った変な檻の中でうごめいているに過ぎない。(T)
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