鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第5056回】 ローコスト住宅を推してこなかった訳

2024年11月02日 | 住宅コンサルタントとして
2005年7月に、コンサルに転職して以降、
一貫して私が言い続けていることがあります。

それは、ローコスト路線に進んではいけない、ということ。

お付き合いがスタートした際、
ローコスト住宅を展開されていたクライアント様も、
今では性能が高く、高付加価値の住宅を扱われ、
それが今の時代、非常に良かったと思っています。

なぜローコストを提案してこなかったのか?

その理由は当時、2点ありました。

まず1つめの理由ですが、
「価格が安いだけ」という理由でお客様に選んでもらうので、
営業マンの営業力や人間力があまり必要なく、
営業マンとして成長しない、ということ。

そして2つめの理由は、
「価格が安い」というメリットでしか、
お客様と住宅会社側がつながらないので、
ファンになっていただけない、ということ。

「価格が安いから、この会社に家づくりを託す」
というお客様の場合、
住宅会社とお客様をつないでいるのは、
メリットという、非常に細い糸。

一方、

「あの営業さんや設計さんが
本当に素晴らしい提案をしてくれて、
かつ本当に真剣に私たちに向き合ってくれた」

という感じで、お客様と住宅会社をつなぐものが、
「真摯な対応」とか「仕事への姿勢」といった、
人と人のつながりだと、お客様はファンになりやすいのです。

そして今では、この理由に加え、
もう1つの理由があるのですが、それは、
住宅価格が資材面・人工面共に上がり続けるので、
ある一定の所得以上の方しか、家を建てられない、
ということ。

所得が高い方ほど、ただ安いだけで品質がイマイチ、
という商品を求めたりはしないのです。

所得がある一定以上の方を対象にした、
商品開発やマーケティング、人材育成をやっておかないと、
この先の顧客の変化に適応できなくなるのですね。

そして高付加価値路線に進んでいただいた、
弊社のクライアント様で起こっていることは、
とにかく紹介がハンパなく増えている、ということ。

所得が高い方ほど、頭が良いケースが多く、
頭の良い人は、情報収集する上で、
広告だけで情報収集せず、
必ず信頼できる方の情報も参考にされます。

ファンとなった自社のOB施主様が、
自分の友人たちにしっかりとPRして下さるのです。

なのでこの先、住宅の価格が高くなればなるほど、
ますます住宅会社の来場における紹介に比率が
高くなることが予想されるのです。

このように、お客様の層を上げ、
付加価値の高い家づくりに取り組んだ方が、
今後も含め、絶対に良いと個人的に思っています。

付加価値の高い家づくりをやっていきましょう!

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