とあるエリアの工務店の話。
ノウハウ収集が大好きで、
あるとあらゆるFCやVCに加盟しまくり、
そこのノウハウを吸収し、
過疎化のエリアで30棟前後を少人数でやっていました。
集客力・マーケティング力・営業力は高く、
生産性も非常に高いのですが、
とにかくいろんなノウハウを買いまくるため、
利益がほとんど出ない体質でした。
更には、取引業者さんであったり、
お付き合いする人もメリットがあるか無いかで判断する経営者で、
人を大切にしないタイプの経営者だったのです。
経営者自身が40代の頃はまだ通用していたのですが、
50代、60代と歳を重ねるにつれ、
耳の痛いことを言ってくれる人もいなくなり、
結果、自分の考えが正しいと思うようになっていきます。
自身の息子が会社に入るも、
父の独裁体制や自分の意見が絶対という姿勢に反発し、
息子さんは会社を出ていきました。
そして経営者が高齢となるにつれ、仕事が激減し、
更には若くて優秀なスタッフが次々と退職していく。
かつては過疎エリアで30棟以上やっていたので、
業者さん同士を競争させ、仕入れも非常に安かったのですが、
今、仕事が激減した上に財務内容もひどいので、
取引先から足元を見られ、
非常に高い金額でしか仕入れが出来なくなりました。
結局15年以上もお付き合いしている方たちの中で、
この工務店の社長を応援したいと思う取引先や
この社長が困っていたら力を貸してあげたい、と思う人が
1社もいなかった、ということなのです。
これが、メリットデメリットで付き合う人を決める方の末路だな、
ということを目のあたりにしました。
もちろん、ビジネスですから、
財務内容が悪い会社に売りたいと思う取引先はいないです。
でもそれ以上に、
人として取引先や社員さんを大切にしてこない経営者からは
ちょっと落ち目になるとこんなにも人は離れていくのです。
先日、私が大好きな見城徹さんがYouTubeの番組で、
楽天の三木谷さんのことをお話されていました。
「あいつの一番の特徴は、恩義を忘れる。
だから積み重ならないの」
「でもあいつは全部その場その場だから、
積み重ならないんですよ」
人を大切にしない方、義理・人情・恩を忘れる方の典型的な特徴ですが、
まさにこの工務店の社長も同じタイプなんだと思います。
人を大切にする。
義理・人情・恩を忘れない。
こういう生き方を大切にしていきたいと思いました。