住宅業界を研究し続けて17年になるので、
業界内でどんなことが起こっているのか、
その最先端の動向を個人的に把握しているつもりです。
この2022年の後半に入って顕著になってきたのが、
2~3年前に業界内で好調と言われていた会社の苦戦、
それから土地の力に頼ってきた大手も苦戦、
ということです。
例えばお客様が多数、殺到して捌ききれないため、
見学会を土日に開催せず、平日に開催していた会社が、
土日に開催するようになったり、
これまで営業の電話をかけたことなどなかった会社が、
いきなり電話をかけてきたり、ということが多発しています。
数年間、何の連絡も無かった会社から、
いきなり電話がかかってくるお客様の気持ちを
考える余裕すらなくなっているのかもしれません。
数年前、好調だった会社が苦戦しているのは、
業界的にコロナ禍の追い風の中、
多くのお客様に来場していただけたため、
こちらがある程度待ちの姿勢でも、
お客様の方からアプローチして下さったため、
比較的に受注が順調だった。
それが物価高の影響により来場するお客様が激減し、
更に家を建てるか建てないか確信が持てていないお客様に
家を建てようと決断していただく方向に持っていけなくなった、
という住宅会社側の営業力不足もあると思います。
今、苦戦している会社に共通するポイントは、
1組のお客様にヒヤリングをじっくりと行い、
家を建てる気持ちに持っていかなくとも、
商談に困らないくらい集客がここ1~3年好調だった、
ということです。
お客様がたくさん来て下さったので、
じっくりと接客しなくとも、商談に困らなかったので、
次第にヒヤリングやフォローが雑になっていった、
といった方が良いでしょう。
弊社のクライアント様で好調な会社に共通するのは、
新規来場からの契約率が25%を超えているということ。
(ちなみに、昨日のブログで紹介した、
決定率80%超えのマネージャーがいる会社の決定率は、
33.3%です)
集客が多くなると、どうしても接客も、
その後のフォローも雑になりがち。
1組1組のお客様とじっくりと向き合い、
その時は建てるという決断とならなくとも、
良好な関係を構築し、定期的に情報をお届けし、
その方が家を建てる環境になれば、戻ってきていただく。
そんな信頼関係をお客様と結べている営業マンは、
正直、あまり新規の集客数に左右されずに、
コンスタントに契約を取り続けてくれたりするのです。
集客はとても大切なことですが、
集客に頼り切った形で経営を考えるのは、
ちょっと危険な時代に入ったような気がします。