鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4308回】 数年前に業界内で目立っていた成功企業が軒並み苦境に入った

2022年10月16日 | 住宅コンサルタントとして

住宅業界を研究し続けて17年になるので、

業界内でどんなことが起こっているのか、

その最先端の動向を個人的に把握しているつもりです。

 

この2022年の後半に入って顕著になってきたのが、

2~3年前に業界内で好調と言われていた会社の苦戦、

それから土地の力に頼ってきた大手も苦戦、

ということです。

 

例えばお客様が多数、殺到して捌ききれないため、

見学会を土日に開催せず、平日に開催していた会社が、

土日に開催するようになったり、

これまで営業の電話をかけたことなどなかった会社が、

いきなり電話をかけてきたり、ということが多発しています。

 

数年間、何の連絡も無かった会社から、

いきなり電話がかかってくるお客様の気持ちを

考える余裕すらなくなっているのかもしれません。

 

数年前、好調だった会社が苦戦しているのは、

業界的にコロナ禍の追い風の中、

多くのお客様に来場していただけたため、

こちらがある程度待ちの姿勢でも、

お客様の方からアプローチして下さったため、

比較的に受注が順調だった。

 

それが物価高の影響により来場するお客様が激減し、

更に家を建てるか建てないか確信が持てていないお客様に

家を建てようと決断していただく方向に持っていけなくなった、

という住宅会社側の営業力不足もあると思います。

 

今、苦戦している会社に共通するポイントは、

1組のお客様にヒヤリングをじっくりと行い、

家を建てる気持ちに持っていかなくとも、

商談に困らないくらい集客がここ1~3年好調だった、

ということです。

 

お客様がたくさん来て下さったので、

じっくりと接客しなくとも、商談に困らなかったので、

次第にヒヤリングやフォローが雑になっていった、

といった方が良いでしょう。

 

弊社のクライアント様で好調な会社に共通するのは、

新規来場からの契約率が25%を超えているということ。

(ちなみに、昨日のブログで紹介した、

決定率80%超えのマネージャーがいる会社の決定率は、

33.3%です)

 

集客が多くなると、どうしても接客も、

その後のフォローも雑になりがち。

 

1組1組のお客様とじっくりと向き合い、

その時は建てるという決断とならなくとも、

良好な関係を構築し、定期的に情報をお届けし、

その方が家を建てる環境になれば、戻ってきていただく。

 

そんな信頼関係をお客様と結べている営業マンは、

正直、あまり新規の集客数に左右されずに、

コンスタントに契約を取り続けてくれたりするのです。

 

集客はとても大切なことですが、

集客に頼り切った形で経営を考えるのは、

ちょっと危険な時代に入ったような気がします。

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