長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

今日は書の会

2011-08-16 08:04:55 | Weblog
最近、二階には、南條先生の寒山拾得を飾っている。
絵もいいけど、先生の書もすばらしい。誰にも師事せず、
自由奔放にひょうひょうと書いてあるのがいい。

バンダヂの上に、「白日青山に遊ぶ」というのがある。
まだ昭和だったころ、新宿の三越ギャラリーで、初めて
南條先生に出合った日に、買いもとめたものだ。
そのころ、ある会社とジョイントで仕事をしていた。
お互いの会社の「哲」が、あわなくて、契約を解除して、
野にくだろうかと考えていた時、突然雨が降ってきて、
そこにあった「三越ギャラリー」に雨宿りした。せっかくなので
エレベータにのって、上の会にいくと、けったいな絵(寒山拾得)が
並んでいた。「本来無一物」とか「相語相笑」などの言葉にもなんとなく
ひかれ、たたずんでいたら、作務衣をきた老僧みたいな人が、声をかけて
きた。お客さんがたくさんいて、対応に追われているように見えたけど、
こちらにつかつかと歩いてきて、「どこかでお会いしましたか?」
という。ので「いや、たぶん、はじめてです」
と答えた。ら、「京都あたりで、お会いしませんでしたかの~?」
というので、「いや、京都時代は毎日珈琲を入れるのに必死で、美術館や
ギャラリーなどはほとんど無縁な生活でした・・」と答えると、
「ほんじゃ、前世であっとるわい」ときた。ふたりで顔をあわせて笑った。
そして「ままよ、きんたま、男の子」よろしく、その絵を買って、家の壁に
かけ、酒を飲みながら、「新しい道をいこう」と思い、野にくだり、代々木に
あった事務所を池袋に移し、ゼロから再スタートした。
「白日青山に遊ぶ」。とらわれのない心でいると、いつでも、どこでも
そこには青山(楽園)がある。心ひとつの置き所で、人生どうにかなるもんだ、
ということをその絵には、何度も教えてもらった。

それからバブルがはじけ、三越ギャラリーも閉館になり、南條観山展を
天真庵でやることになった。まったく不思議な奇縁だ。

最近、またその絵たちが、話かけてきたり、夢にでてきたりする。
いままでも、そんなことがちょくちょくあった。

今日は「書をしよう会」の日。IT企業の社長でありながら、書家という
顔ももつ貞本さんがやってくる。
文人墨客たちがきて、好きな書をかき、酒を酌み交わす。

金曜日は、こないだまで女子大生だったようなふたりの素晴らしい
コンサート。薩摩琵琶とピアノで、いろいろな青山を遊ぶような
世界をみんなで楽しみたい。