この夏、長野でくるみを買ってきて、「りすそば」をやっていらい、はまっている。
その時、「くるみわり」のペンチみたいな道具と、それを掘り出す道具もいっしょに
買った。その道具屋のおっちゃんが「りすもこのとがったとこをうまく噛む」
と教えてくれた。カウンターの中でやってみたけど、簡単ではない。ときどき
強く割れすぎて、珈琲を静かに飲んでいるお客さんの顔に飛んでいったりした。
「どうぞ、珈琲の友に・・・」なんていっても洒落にならない。
先週、秩父の山奥の地のものを販売しているお店にいったら、くるみが
売っていたので、お店のおばあちゃんに「割り方のコツ」を教えてもらった。
「3晩水に漬け、鉄のフライパンで煎ってら簡単に割れる」とのこと。
原理原則というのは、簡素なものだと感心しながら、その通りにやったら、
簡単に割れた。もちろん、フライパンは「魔法のフライパン」
これをネットで検索して手元に届くのに7年前は3年かかった。
青物野菜のお浸しに、くるみ味噌をあえて食べた。普通の日本酒の
燗酒がはらわたに染みる。近頃のきれいな味したポン酒では、こうにはいかない。
これから寒い季節。京都にいたころは、荒神口のシャンクレールのそばにあった
「安兵衛」というおでんやで、コロやうすあげを酒肴に、伏見の「名誉冠」を飲んだ。
女酒といわれ、少し甘い酒ではあったが、比叡下ろしが吹く寒い夜の京都では最高の味がした。