京都の南禅寺ちかくにある野村美術館では、今、太田垣蓮月の展覧会をやっている。
昨日は二階で「普茶料理もどき蕎麦会」を6人でやった。5人が女子、平均年齢
が30歳前後。最初に玉露を楽しむ。京都のお菓子に星野村の玉露をガラスの宝瓶(ほうひん)で三煎
いただき、茶葉はボン酢で食べながら、酒肴にする。昨日の酒は、花巴の「ゆずりは」の純米酒。
ゆずり葉、というのは正月の鏡餅の下に飾る葉っぱで、新しい葉がでるときに古い葉が順番に落ちる、
ので、新旧交代の縁起から、正月や晴れの日に使われてきた。代謝が悪くなり、引き際が悪く晩節を汚す
ような政治家や経営者や役人たちには、煎じて飲ませたいくらいのしなものだ。
普茶料理は、隠元和尚が伝えた精進料理。京都の黄檗山万福寺や、京都市内には、普茶料理の店が
残っている。豆腐やおからや野菜が中心の料理で季節感もあり、とても健康的な食事である。
天真庵で供するものも、蕎麦豆腐や雲片といわれる野菜中心の雑炊や、季節の野菜料理や
般若湯(酒のこと)がすすむ酒肴をお出しして、最後にそばでしめる、という感じである。
気のおけない仲間と、お茶を飲んだりする瞬間ほど、「生きている」を感じることはない。
ましていわんや、そこに酒が入り、団欒をしながら食事をする時くらい至福の時はない。
「おもてなし」がブームになっているけど、おもてなしされる側とする側が、双方向で楽しまないと、
見せるだけ、というか、ジコマな接待で終わってしまう。最近のお茶時は、下手するとそんな傾向が強い。
ま、そのあたりも人生のおおいなる修行の場所だと思う。
来週は京都で茶会をやるけど、みんなで「よかった」と大事な歴の引出にしまえるようなものになればいい。
昨日、野村美術館から次の展覧会のポスターがきた。
茶人千利休や藪内剣仲、古田織部ゆかりの書や茶碗を中心に、桃山時代の茶の湯の美術を紹介するらしい。
毎月京都にいきたくなるような内容だ。こまった。 感謝。