長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

江戸っ子と蕎麦

2008-03-20 12:03:21 | Weblog
蕎麦は大陸から対馬を通って、九州に上陸した。
器や仏教、お茶などと同じ「海のシルクロード」だ。
北九州では山海の珍味に恵まれていたため、蕎麦の文化が
根付かなかった。
ぼくの育った北九州も「うどん」の文化圏だし、「焼うどん」
と「パンチパーマ」は、小倉から発生したというのが通説だ。

昨日は午後から雨にかかわらず、しばらく満席状態だった。
地方の方には信じがたいことだけど、小さな子供たちが「蕎麦」を
食べにきた・・・???

きくと、「今日は卒園式」ということだった。つまり、卒園の記念に
「蕎麦屋でいっぱい」、ということらしい。もちろん、
お酒はださないけど、いっぱい口にほおばって、蕎麦を楽しんでいた。
これも江戸っ子の儀式?みたいなものか?
ぼくなんて、そのことは、「ちゃんぽん」か、冷凍もんでない「ホットケーキ」
にフォークをさして、はちみつをかけて食べるのが好物だったけど・・

今日は定休日と木曜日が初めてかさなった。ので、お店はお休み。

和もの

2008-03-19 10:42:15 | Weblog
昨日は「書の会」だった。
いわしを、蕎麦用の出汁を使って、梅干とショウガをいれて、
コトコトと石油ストーブの上で煮た。トトコト、じわじわ、はんなり・・
ゆっくりとしたリズムが、和のリズム。
書も同じらしい。仙人みたいな風貌の貞本さんが、「呼吸をととのえて、
これ以上ゆっくり書けないくらいのスピードで書いてください」と声を
かける。お茶・お花・禅・合気道・舞踊・・・日本の伝統的な芸はみな
「呼吸」が大切だ。

書もいっしょに学んでいるのだが、近くで「洗い張り」をやっている「張福」
さんが、昼にぼくの「作霧衣」と、この写真の帯を持ってきてくれた。
ぼくの友だちで信楽に住む「風子」さんが、天真庵に遊びにきたときに、
注文したらしい。「和」のものは、古いも新しいもない、普遍的な「美」
があって、いろいろなものが調和されていてすばらしい。

信楽といえば、先週まで京都大丸で、陶展をやっていた渡辺愛子さんが
今日遊びにくる。
多士済々な文人みたいな人たちが、まだ日本にはいっぱいいて、そんな
人たちが、感動の連鎖、みたいな感じで結ばれていくのがうれしい日々。
天真庵も文花という街に結んで、もうすぐ一年。

書をしよう会

2008-03-18 06:53:54 | Weblog
今日は「書をしよう会」。
先月は自習だったけど、いつものメンバーが集まって、それぞれ
好きな字を書いていった。まず、ウォーミングアップで、○❏△を書く。ここで
筆運びとか筆圧の訓練。それから銘銘が好きな文字を全紙に思い切り書く。
真っ白い紙に、呼吸を整えて、えいっと、一気呵成に揮毫する。すると、
だれもが、自分流の表現の世界を遊泳できる。とても素晴らしいアーチスティック
な瞬間。誰でも「文人」になれる世界。

書・お茶・お花・・・先人が伝えてきた素晴らしい世界を、もっと楽しく継承して
いきたいと思う。

今日は貞本先生が2ヶ月ぶりにくる。彼の好きな広島の「雨後の月」
でも飲みながら、春を満喫しようと思う。

墨田公園

2008-03-17 07:35:11 | Weblog
週末は、仕事をしたくない、くらいいい天気だった。
「東京カフェ時間」という雑誌の影響もあるけど、いい天気も手伝って、
遠くから散歩してくる人も多くなった。
浅草あたりから、墨田公園を通って、押上にくる、というコースはなかなか
いい散歩コースだ。いろいろな種類の桜があるらしく、ポチポチ開花している
のもあるらしい。

ぼくのHPに新しく作った「歳時記」に書いてあるけど、ぼくは個人的には
京都の南禅寺の桜が好きだ。

明日は、「書の会」。土曜日はフェルナンドのライブ。だけどもうすでに、
満席ゴメン。
4.5は、一周年の記念ライブ。

2008-03-16 07:48:31 | Weblog
毎年、3月の後半のこの季節に「南條先生」の寒山拾得(かんざんじゅっとく)
の個展をやっていた。上池の近くに「桜通り」があり会期中、毎日桜のつぼみが
ほころんだり、咲いたりするのが、楽しくて、ウキウキしたものだ。
やはり日本の春には桜がよく似合う。

押上にきて二年目。昨年は、開店の準備で忙しく、花見をあきらめていてけど、
あるひ、近くの「SPICE CAFE」にいったら、そこからライトアップ
された桜(となりの公園の桜)が見えた。
カレーも、桜も日本人が大好きなアイテム。

今年は、日本酒を飲みながら、やりたいものだ!
4.5の夜のライブの後、みんなで夜桜見物にでもいきましょか・・!

あなたのおそばに展

2008-03-15 08:40:53 | Weblog
4月4日から9日まで天真庵の一周年を記念して、「あなたのおそばに」展を
開催します。蕎麦会・展示会、ジャズのライブ?などいろいろ企画をしています。

昨年の今ごろは、桜がさきか開店がさきか・・・みたいに忙しく改装をやっていた。今年は、ゆっくりと毎日、梅や桃の花を楽しんだり、桜の開花をこころまち
する日々。一斉に春がくる北国のそれには、かないませんが、なかなか下町の春も
いいもんです。

コーヒーのミルが再生された。

2008-03-14 06:49:03 | Weblog
天真庵は、墨田区文花1丁目にある。また、十間橋商店街に属している。
せいかくには「じっけんばし」と発音する。
その十間橋商店街で80年以上、お茶やさんを営んできた老舗が、昨年の
夏に廃業した。その時に、このコーヒーミルをいただいた。

先週、そのミルが突然動かなくなった。
カッパ橋のコーヒー器具専門店に電話できいたら、「もってきてくれたら、
メーカーにおくって修理します」という返事だった。最後に「その会社は
倒産したんだけど、修理する人だけ残っている」ということだった。
そして、1週間後に、修理がおわって、コードが新しくなり、固かった部分
も快適になり、ピカピカに磨かれて、まるでホームレスの人が、病気かなんかで
病院に強制入院させられ、風呂にいれられ、きれいになった、みたいにきれいに
なった。

そして、修理の値段が3500円。3万くらいかかっても・・・と覚悟したのに
この値段。きっと、会社が倒産しても、このミルとかコーヒーのことを大好きな
人がやっているんだな、と感動した。
倒産していなくても、今の会社は、擦り切れ、疲れきった人が多い。
なおったミルで「ほぼブラジル」を飲みながら、そんなことを考えていた。

いちじく

2008-03-13 07:55:28 | Weblog
友だちからメールがきた。
「白味噌があまったんだけど、天真庵で食べたのは、いちごに
かけたのでしたか?」
答えは「いちじく」。
いちじくの皮をむいて、適当に切って、白味噌と酢で酢味噌をつくって、まぶす。
お酒のつまみに最高。

昨日の夕方今話題になっている「みかんの訪問販売」がきた。
その類のものは、手をかえ、品をかえ、何度かきた。
「このあたりに営業にきているのですが、仕入れが多すぎて
少しあまったので、よかったら買ってくれませんか?」
といって、若いねーちゃんがニコっと笑う。
先日も文房具?かなにかを売りにきたねーちゃんがいた。
その前に化粧品を売りにきたねちゃんだったので、
「こんどはせっけんでも売りにきたら。それで足を洗ったら」
とやんわりことわった。ら、ムッとした顔して、かえっていった。

値段も安いし、詐欺っぽくないので、ついついつきあってしまう人も
多いらしい。

今年は、世界中で不景気になりそうだから、こんな話や、
干支も手伝って、「ねずみこう」まがいの話が多くなりそうだ。
くわざら、くわばら・・


父の酒

2008-03-12 06:27:15 | Weblog
時々、父と息子さんがふたりできて、カウンターに座って「そば前」の酒を飲む、
という親子がおられる。なかなか「ありえない」話なので、うらやましく思う。

ときどき、深夜に本などを飲みながら飲むときに、「りんご」を酒肴にする
ことがある。りんごをスライスして、それに醤油をかけて食べる、という単純な
ものだけど、これがいける(賛否わかれるけど)

安岡章太郎のエッセイに「父の酒」というのがある。なかなか泣かせる文で
何度か読み返してみたが、読み返すたびに泣ける。
その中で、思い出の父の晩酌のあてが、その「りんご」。

昔「リンゴをかじると血がでませんか?」というCMがあった。

リンゴをかじりながら飲むと、血もでるけど元気がでる。

英語で蕎麦会

2008-03-11 07:12:01 | Weblog
今日は「英語で蕎麦会」
ひさしぶりに、テレビの脚本家のAさんがくる、というので
にぎやかになりそうだ。
天気も19度・・・・春爛漫だな。
炭が必要でなくなるのは残念だけど、春はこころもウキウキしてくる。

昨日は東京大空襲の日だった。
天真庵のあるところも焼けた。金庫だけが焼け残った。
厨房の中の土間を掘りなおしたら、その日に焼けたものが
ゴロゴロでてきた。それを、芸大出身の林君が、「どうぢても
捨てられない」といって、とっていた。
そのひとつを、けいちゃんが、厨房の片隅に「神棚」をつくって
祀ってくれた。
その、林君とけいちゃんが、この春結婚することになった。
「縁」とは不思議なものだ!