長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

いんげんさんが伝えたもの

2008-10-19 07:15:49 | Weblog
毒入りいんげんが問題になっている。
でも食卓の料理に冷凍物が主役になっているのがもっと問題なような気
がする。
宇治に黄檗山萬福寺がある。隠元和尚が黄檗禅を広めるために中国から
やってきて立てたお寺。禅のほかに、お茶やその名前の由来になった
「いんげん豆」ももってこられた。
お茶はその後、宇治でもつくられるようになり、煎茶道の総本山みたいな
役割をはたしている。煎茶の世界では「普茶料理」という精進料理がある。
いんげんの胡麻和えとか、もどき料理(おあげでうなぎの蒲焼みたいなものをつくったりする)や季節のてんぷらなどを、大皿に載せて、基本的には4人で食べる。
同じ食べ物を、仲間と分かちながら感謝しながらいただく、という精神。
天座(てんぞ)と呼ばれる食事担当の僧は、大きなすり鉢にごまをすりこぎで
磨るのが日課。けっして冷凍物はつかわない。
大事な家族の命の元になる食事。
できれば素性のしれた食材をつかって、ひとてまかけて、つくりたいものだ。

天真庵の「習いもの」(お茶・書・ねんど・英会話・論語など)の後の蕎麦会
は、普茶料理を意識したものだ。お蕎麦も久保さんの大皿に盛っていただく。

鈴木和香菜さんの個展も千秋楽を迎える。天真庵に新しい風をふかせて
もらった。いろいろな出会いに感謝感謝。

平成中村座

2008-10-18 07:05:39 | Weblog
浅草の浅草寺で平成仲村座の公演をやっているらしい。
幕の内ではないけど、幕と幕の間に「蕎麦が食べたい」
という電話があり、友だちがいつものように着物でやってきた。
いつもは、蕎麦前にお酒を飲むのがならわしだけど、いきなり
蕎麦が食べたいというので、そばをだしたら、「お酒」と
いうので、佐久の「花」をだす。そばに塩をかけながら、花を
飲むすがたは、さながら中村福助が色っぽく盃をかたむけるような
感じだった。「これからまた次の歌舞伎を見るので、今日は飲みません」
といっていた連れの女性と、小一時間で4本あけてかえっていかれた。
その友だちが、少し酩酊して含み笑いをして、「これからは女力が大事ですよ」
と見栄をきっていった。目力と言霊が共鳴するような言葉。

鈴木和香菜さんの個展も残すところ二日。
彼女の絵も、普通人とは、視点が違っていておもしろい。
いろいろな意味で、八方ふさがりのようなことが多いと思うけど、
近視眼的に問題を凝視していても解決できないことがある。
「まわりが、壁に囲まれていても、上を向けば青い空がひろがっている」
いつか、どこかの温泉の壁に囲まれた露天風呂に、そんな言葉が書いてあった。


今はもう秋

2008-10-17 06:56:42 | Weblog
昨日は定休日。
今日は遅くまで営業するし、豆が空っぽになったので
午前中は、こそっと焙煎。
電気をつけず、換気扇もまわさず、息を殺すように?
静かに焙煎をしている。でも長屋の性?か、隙間から
芳香な焙煎豆の香りがもれて、それを嗅ぎつけた侘庵の
後藤君たちが、玄関の戸をたたく。
かわいい舎弟みたいな君が来ると、ついついあまくなって
焙煎したての珈琲を入れて、近況報告をきく。
彼は、この街の人たちの「声」をひとり1分にまとめて
映像に残す・・・そんなことをライフワークにしている。

その後、秋の煎茶会の準備。炉台を買いに、大塚の骨董やにいく。
の、つもりだったが、酒器やらぼうふら(煎茶道具)や、木工品
などを買って、財布が空になった。
不景気になると、骨董も安くなるけど、こちらの財布も
軽くなるので、たいへんだ。

頼山陽

2008-10-16 10:37:58 | Weblog
江戸時代の文人に頼山陽という人がいる。
広島の出身で京都の鴨川べりに「山紫水明処」とかいう書斎をつくり、
書や煎茶を楽しんだ。
最近近くの路地を入ったところにある、こじんまりしていて、庭や縁側や池もあり、床の間が2箇所もある家に、ビオラ奏者のヨッシーが引っ越してきた。
床柱には北山杉が使われ、よく手入れされた感じで、残っている。

この界隈は「向島」という花町があった関係で、昔から「おめかけさん」
の家があった場所。おめかけさんを「囲う」という言葉も、襖や屏風などで
決界をつくり、その中でお茶を入れる、みたいな意味、つまり「茶の原点」
みたいな言葉からきたものだ。
そのヨッシーが昨日自作の饅頭をもって遊びにきた。
彼女も「頼山陽」と同じ広島の出身だ。昔の文人みたいに、
床の間に気に入った掛軸をぶら下げ、野の花を一輪なげこみ、かたわら
でビオラを奏す・・・そんな風流な生活が始まった。
彼女とベルギーでいっしょに演奏していたオーボエのかよちゃんが
今月の31日に「バロックの会」をやってくれる。天真庵では3度目。
そして来月7日にヨッシーの歓迎会が天真庵である。もちろんヨッシーがビオラ
を演奏する。「セルフカフェ」みたいな企画。

飛び込み

2008-10-15 07:19:10 | Weblog
世界中が金融恐慌になり、産業恐慌になり、そしてアイスランドみたいに国が事実上破綻して輸入ができなくなり、人人が食料を買いに殺到する、いわゆる生活恐慌
になりつつある。
こうゆう時は、また「飛び込み自殺」などが増えると思う。どんなに追い詰められても自分を殺すことはないと思う。生きてこそ、だ。

昨日の英会話はふたりが「飛び込み参加」した。こちらの飛び込みは歓迎。
ひとりは今個展をやっている鈴木和香菜さん。もうひとりは、昔いっしょに
篠笛を習っていたKさん。彼女もアーティストでこの生活臭がプンプンする
押上界隈に引っ越してくるのを希望している。ので、最近近所に越してきた
ビオラのヨッシーの内へ、飛び込み、いや突然訪問した。ちょうどビオラの
練習をしていた。その部屋には、立派な床の間があり、小さな焼締の花器に
可憐な花が一輪飾られていた。そんなところに「日本人のこころ」がある。

ワカも1歩1歩リハビリに励んでいる。彼が教えてくれた「人参とリンゴとハチミツのジュース」に挑戦。なかなかシンプルだけど、体が喜ぶジュース。
「リンゴとハチミツ・・・」。バーモンドカレーの由来になったバーモンド地方のい人はリンゴとハチミツをよく食べて長寿が多いことで知られている。



英語で蕎麦会

2008-10-14 07:08:28 | Weblog
昨日は久しぶりにぬまちゃんが手伝ってくれた。
彼女はこの街が気に入って、わざわざ昨年厚木から引っ越してきた。
縁あって「大阪のぼん」と婚約し、来年は「大阪のおんな」になる予定。
お昼にまかない料理の「かしわうどん」を食べながら、大阪弁を
少し伝授。英語より難しいかも・・?

今日は「英語で蕎麦会」。
もうかれこれ10年続いている会。
最初は「ビル・スメール」という下町と酒が大好きな先生が
「ぼくの名前はビル・スメール。ビールとスルメで英会話しよう」
みたいなのりで始めたものだ。
今は下戸だった岩本さんが先生。でも最近かなり飲めるようになった。
今日は「陸奥八仙」「うら十文字」など格別美味い日本酒を飲む予定。



今月のわんこう?

2008-10-13 07:00:45 | Weblog
先日「月刊WAN」という犬の雑誌がおくられてきた。
先月元気が手術をわざわざおくらせて、撮影した写真が掲載されていた。
見開きでいろいろなポーズで元気に写っている。
創刊して20年以上になる雑誌らしい。犬の健康食や体のケアーまで、
さながら「ひと」みたいな内容だ。しかも広告もたくさんのっている。
「東京カフェ時間」に掲載された時は、私よりも大きく写真がのったけど、
今回は私が借景?になった。写真では「しぼり」で被写界深度を浅くして
撮りたいターゲットに焦点をあてると、バックがぼやけて写り、印象的な
写真がとれる。そんな写真になっているのが、お客さんにうけている。
この雑誌の効果?なのか昨日は開店から殺人的な忙しさで、2時半には
蕎麦もチーズケーキも完売。

明日は「英語でそば会」。
明後日は「かっぽれ」。新しい曲に挑戦。男芸者として座敷に呼ばれる
日も近い。三味線つきで「出張の蕎麦打ち&かっぽれ」・・・これからの高齢者社会にはピッタリな仕事かも?弟子を募集しようかしらん。


骨董病

2008-10-12 07:33:50 | Weblog
この病気はたちが悪い。ある日突然感染しする。しかも不二の病。
だいたいこの病気にかかると死ぬまで慢性の金欠病を併発する。
同じ病気の人間を観察してみると、その不治の病を楽しんでいるように、
みんなどこか幸せそうな顔をしている。

昨日の夕方、ぼくの骨董の師匠・文庫さんがふらりと遊びにきた。
ちょうどオーボエのかよちゃんが、「これつれてかえる」
とバイオリンの大道芸の絵を衝動買いした直後だった。
文庫ちゃんは中学生のころから骨董やに通い、古い陶器の
かけらなんかを収集するような癖をもっている。
彼はピアノを教えたり、将来「サロン」をやる夢のため、
料理や接客の修業をしに料理やなんかのバイトをしている。
彼の部屋にあるスタインウェイのピアノの50年前の骨董。
それを奏でるとき、部屋にころがっている備前や唐津の古陶
たちもいっしょに踊っているような感じがする。
その中から選んだ酒器に酒をなみなみ注いで、飲むと、
なにもほかにはいらないような時間が過ぎる。
いつかそんな酒席を天真庵でしよう、と約束。
「まいぐのみを持参して、ただ飲む会」
「ただ飲み」はいけないけど「ただ飲む」のはいい。
彼がただピアノをひいてくれるだけ。なぜならピアノはおせないから・・

不思議な感じ

2008-10-11 06:57:08 | Weblog
昨日から鈴木さんの個展が始まった。
一階のピアノの上には、彼女がイタリアにいった時の絵
(サン・ジミニャーノの路上でバイオリンを演奏している絵)
を飾ってあって、そこで江口さんがイタリア製のバイオリンを
ひいている。その光景をまた、鈴木さんがスケッチしている。
この絵が完成したときは、逆にイタリアで個展とコンサート
をやたらどうらろう、と思った。

ライブが終わって珈琲を飲んでいたら、ヨッシーがお店にきた。
彼女は最近、近くに越してきたばかりのビオラ奏者。
そして、このピアノをひいてくれたあきおちゃんとは11年前に
いっしょに演奏したことがあることが判明。
とても不思議な再会になった。ふたりとも「天然」に近く、
演奏にも「作為」みたいなものがなく、とても自然なのがいい。
陶芸もいっしょだ。作為があるのは、いけない。

今日もまたピアノだけ人がかわり、「オープニング2」
がある。こんな楽しい会を3日以上やると、昼間の仕事を
したくなくなる。
でも昨日はホボブラジルがほぼ空になったので、これから焙煎しなくては・・

秋のコンサート

2008-10-10 06:48:43 | Weblog
今日の夜、明日からの鈴木和香菜さん個展のオープニングを兼ねてピアノとバイオリンのコンサート。打ち合わせをしたわけではないけど、イタリアのトスカーナでの絵に、こんな絵があったので、ピアノの上に飾ってみた。
バイオリンの横の楽器は、ピアノの原型みたいな楽器(名前はわすれた)。
これまで「升たか」さんの絵とか、南條先生の寒山拾得を飾っていた場所に、
こんな感じの絵を飾ると、すっかりそこにはイタリアの風が吹いている。
昨日は東砂の「すぎうら」さんに自転車でイタリアワインを買いにいった。
うちは日本酒は四つ木の「杉浦酒店」さんで、ワインは東砂の「すぎうら」
さんでお願いしている。どちらも「杉浦」さんで、またよくどちらもうちの
イベントに参加したりしてくれるので、混同することが多い。

世界中が混沌としてきたけど、こんな時ほど、自分のこころを見つめ、
自分の心に栄養を与えるようなことをしたいと思う。
「自分に投資」をすると、株価や為替などに振りまわさえることなく、
納得がいくリターンがある。