制作した物は
作ったままの状態では制作物です。
仕上げを経て作品となります。
では
「仕上げ」とは
どのようなものでしょうか。
仕上げ方には様々な方法があり
作品内容やサイズ、ボリュームにあわせて
適する方法を選択します。
今回は
保存性を優先する仕上げ方を学びました。
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ミュージアムボードという無酸性のマットボードを用い
ブックマット形式で仕上げます。
ブックマット形式は
画面サイズで切り抜いたオーバーマットと
制作物を固定するアンダーマットを接合する形式です。
ブックマットの作成においては絶対的なきまりはありませんが
一般的に認知されている方法があります。
その方法に従い
各自、1~3点の仕上げをおこないました。
マットボードを切り抜く作業は
業者にお任せする場合が多いかもしれませんが
一度は自分で経験しておく事は大切です。
大型のマットカッターを使い
斜め45度の角度でマットボードを切り抜きます。
その後のマットの接合や制作物の設置に使用するテープ類も
保存性を考慮し、無酸性テープを用います。
バライタプリントやシルクスクリーンプリントは
余白のある状態で仕上げているため
三角コーナーでアンダーマットに固定しますが
上のサイアノタイププリントのように余白のない場合は
ドライマウントティッシュという
熱によって溶ける薄いシート状の感熱接着剤を使い
アンダーマットに固定しました。
ブックマット形式の状態まで仕上げると
その制作物は、その後、残る存在となります。
保存に耐えうるという事ですが
作り手の気持ちの上でも
残る存在となるのではないかと思います。
たぶん。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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