徳永写真美術研究所では
サイアノとヴァンダイク
二つの古典印画技法講座を準備しています。
ヴァンダイクブラウンプリントは
宮廷画家のアンソニー・ヴァン・ダイクが描く
茶色の美しさを称えて名付けられたとされています。
ゆえに格調高い色調(?)となります。
感光紙を作る際に使用する薬品は3種
クエン酸鉄アンモニウム、酒石酸、硝酸銀
各薬品を確認しながら既定量の水で溶解。
溶解した液を混合し、感光液が完成。
紫外線を発しない電球のもとで手早く感光紙を作ります。
そして
5パーセント刻みのグレースケールフィルムを焼き付けました。
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ところが
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現像処理後はコチラ
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薄っすらスケールを確認できますが
明らかに失敗です。
どこに問題があったのか直ぐには原因を確認できず・・・。
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気を取り直して
講座後半ではデジタルネガフィルム作成に取り組みました。
事前に仕上げていたグレースケールのチャートを参照しながら
フォトショップを使用して予定通りに作業を進めました。
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講座後
今回の失敗はどこに問題があったのか?
薬品に問題があった?
季節柄、湿気でダメになったとか?
すぐさま確認しようと
自身のフィルムをプリントしたところ
これまた見たことがない結果が・・・
画面に斑模様が出ました。
しかし
写真右のグレースケールはいつもの仕上がり。
左の紙は
随分前にいただいた高級版画紙。
たぶん
紙の保管が悪くておかしくなったのだろうと推測し
もう一度
常用している紙で露光しなおしたら
通常の仕上がりでした。
ホッ。
薬品に問題はないことを確認して
再度、失敗の原因を考えたところ・・・
今回、薬品を量る際
0.01g単位の精密計量機を使用したため
計量単位を間違えかもしれない?
・・・という仮説を立ててこの日は帰宅しました。
これまでに自身の制作でも講座でも
このような失敗をしたことがなかったため慌てましたが
2日目の講座では
再度、感光液の調合から始め
問題なく作業を進行できました。
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この日の失敗を忘れることなく
作業の見守りを細やかにおこなうことを心に誓いました。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。