徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

古典印画技法ブラウンリント講座・ヴァンダイク / 1日目 スケールのプリント&ネガフィルム作成

2018年10月01日 | 古典印画技法講座


徳永写真美術研究所では
サイアノとヴァンダイク
二つの古典印画技法講座を準備しています。



ヴァンダイクブラウンプリントは
宮廷画家のアンソニー・ヴァン・ダイクが描く
茶色の美しさを称えて名付けられたとされています。
ゆえに格調高い色調(?)となります。

感光紙を作る際に使用する薬品は3種
クエン酸鉄アンモニウム、酒石酸、硝酸銀



各薬品を確認しながら既定量の水で溶解。



溶解した液を混合し、感光液が完成。



紫外線を発しない電球のもとで手早く感光紙を作ります。



そして
5パーセント刻みのグレースケールフィルムを焼き付けました。



ところが



現像処理後はコチラ



薄っすらスケールを確認できますが
明らかに失敗です。
どこに問題があったのか直ぐには原因を確認できず・・・。



気を取り直して
講座後半ではデジタルネガフィルム作成に取り組みました。



事前に仕上げていたグレースケールのチャートを参照しながら
フォトショップを使用して予定通りに作業を進めました。



講座後
今回の失敗はどこに問題があったのか?
薬品に問題があった?
季節柄、湿気でダメになったとか?
すぐさま確認しようと
自身のフィルムをプリントしたところ



これまた見たことがない結果が・・・
画面に斑模様が出ました。
しかし
写真右のグレースケールはいつもの仕上がり。



左の紙は
随分前にいただいた高級版画紙。
たぶん
紙の保管が悪くておかしくなったのだろうと推測し
もう一度
常用している紙で露光しなおしたら
通常の仕上がりでした。
ホッ。



薬品に問題はないことを確認して
再度、失敗の原因を考えたところ・・・

今回、薬品を量る際
0.01g単位の精密計量機を使用したため
計量単位を間違えかもしれない?
・・・という仮説を立ててこの日は帰宅しました。

これまでに自身の制作でも講座でも
このような失敗をしたことがなかったため慌てましたが
2日目の講座では
再度、感光液の調合から始め
問題なく作業を進行できました。



この日の失敗を忘れることなく
作業の見守りを細やかにおこなうことを心に誓いました。


記:徳永好恵


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。 

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