薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

授産所施設にも経営の視点を

2016年08月08日 | 日記

前回の視察報告の続きです。

8月3日~4日の視察2日目は奈良市に出向き、奈良県の受託事業をしているNPO法人チャレンジ起業支援隊の取り組みを伺いました。

全国の地方新聞と共同通信社が、地域再生に取り組む団体を対象に創設した「第1回地域再生大賞」の優秀賞を受賞した団体です。

チャレンジ企業支援隊(GMS)は、パナソニックに勤めていたOBで勉強会を開いていたのが、そもそもの始まり。

各々がもっている知識や経験を活かして社会貢献をするため、中小・ベンチャー企業の支援を行なうことを目的としてスタートし、現在はNPO法人などの公益団体の支援をする「NPOの中間支援組織」も行なっています。

NPOの中間支援組織って聞きなれない方も多いでしょう。

NPOは全国で5万ほどありますが、2割は人材育成や資金面で活動が行き詰まっていて創設当時の活動が維持できないという課題に直面しています。

困っているNPOを支援し活性化するのが「中間支援組織」なのです。つまりNPOを支援するNPOってことです。

公共サービスを市民との協働で進めていく昨今の流れのなかで、市民団体であるNPOを支援する中間支援組織が市原市にも必要だと6月議会で取り上げただけに、夢中で話をききました。

企業のOBだけあってビジネスの手法で支援するのがGMSの特徴で、事業計画の策定をし徹底的に検証をして自立できるよう支援していくのです。

障がい者働きがい支援事業として、授産所施設の支援もしています。これが興味深かった。

障がい者の授産所施設は福祉の世界で、賃金は月に1万円。それを倍の2万円を目指すために、経営を見直すのです。

問題点や希望を聞き、販売や工賃の中間目標を設定、課題を絞り込んで、方針をまとめて月別や推進計画などの事業計画を作る。経営の視点で、どの段階でも具体的な数値(指標)を入れていくのだそうです。

有名なデパ地下のチーフや県下で一番人気店のパン屋さんなど、その筋の著名な方を講師に招いて研修。その費用は知り合いを通じて紹介してもらうので、ほぼ無料。ネットワークが強みです。

こうした研修によって商品の質が変わり、それが確実に賃金に返ってくることで、やる気がおこり毎年給料が上がっている事業もあるのです。すごい!

福祉の分野にビジネスの手法を持ち込むなんて、目からウロコでした。

このお話を伺った場所はJR奈良駅前にある「はぐくみセンター」

NPO法人チャレンジ起業支援隊は事務所を持たず、必要な時にここのスペースを借りて活動しています。事務所がなくても、これだけの支援ができるなんて!

説明して下さった山崎理事長さんと。

ここには保健所と教育総合センターがあり、上層階には、こんなブースが。

「ものづくり工作室」

キッズドームシアター

シアターってプラネタリウムなんです。

写真は撮れませんでしたが、親子でにぎわっていました。

1階は奈良市ボランティアセンターで、登録されたボランティア団体のファイルがずらり並んでいます。

分野ごとに置かれているので、見やすいですね。

いろんな人が行き交う場所にあることで、ボランティア団体のニーズが広がるのではないかと思います。

市民と行政の協働を進めていくには、NPOやボランティア活動が活発になるための支援が必要だと感じました。