FPと文学・エッセイ 〜是れ日々なり〜

ライフプラン、資産設計のほか、文学・社会・芸術・文化など気まぐれに日々、FPがつづるエッセイ。

ウサギ年の受難 ー 私はイヌじゃありません

2011-01-17 01:58:52 | シニア&ライフプラン・資産設計
ペットのいるライフプラン

今年は卯年ということで、去年あたりからウサギがペットとして例年以上に飼われだしたようです。ただ、悲しいことに、数カ月で飽きられて捨てられているということです。

捨てられたウサギは、寒さに凍えて死ぬか、野犬に食われてしまうそうです。もともとペット用のウサギは、野原に放っても草を食べて生き延びていけるほどたくましくありません。野良犬や野良猫のように街中で残飯を漁ってでも生きられるほど強くありません。こんな寒い中、せいぜい2~3日も生きていられれば幸せなほうでしょう。

小さい時は、掌に乗るほどかわいいので、つい買ってしまうのでしょうが、数カ月で体長30センチくらいに成長します。捨てる人の理由は、思ったほどなつかないからということです。ウサギは、イヌやネコほどなつきません。しかしペットというのは、こちらがどれだけかわいがってやるかの問題です。

我が家には4代目のウサギがいますが、いまだ十分なつきません。いや、かなりなついているほうです。こちらが手を差し伸べれば、体一つ分の距離をおいて、後ろ足を引いたままの体制で(いつでも逃げられるように)顔だけ寄せてきます。たまに、指や顔を舐めてくれますが、それもつかのま、頭をイイコイイコしてやろうとしても、さっと逃げてしまいます。こちらが追いかけると逃げるし、何もせずほったらかしていると寄ってきて、アソボと催促してくる。つまえようとすると、するりと逃げる。まるで女です(確かにうちのウサギはメスですが)。人間の女と変わりません。

ウサギはほとんど顔の表情が出ません。イヌやネコのようには、こちらを向いているのか、どちらを向いているのかもわかりません。声もめったなことでは出しません。うちのウサギは珍しいほうです。むりやり抱くと、アゥ~とうなる。ヤダ~と言っているのです。強引につかまえると、後ろ足を床にバンと打ちつける。あれは、威嚇です。怒っているのです。頬を指で撫でてやると、ネコみたいにグルグルと声をたてます。あれは、キモチイ~、もっとやってと言っているのです。数少ない、これがウサギの感情です。

ウサギの習性をあまり知らないで買って、すぐ捨てる人は、まったく論外です。飼った時から、ペットは家族なのです。なつこうがなつくまいが、それは家族としての「子ども」なのです。子どもが成長するにしたがってなつかないからといって捨てますか? できが悪いからといっていじめますか? いうことをきかないからと虐待しますか?(ひどいことに、人間の子に対しても、そうする人がいますが・・・。)

ペットを過大にかわいがるのも何ですが、ウサギの場合はイヌやネコのように期待しないほうがいいですよ。いるだけで、見るだけで癒しを感じられればそれでいいのです。飼い主から逃げ回るようなペットがいてもいいのです。

以上は、メスのウサギの話で、オスのウサギはかなりなつきます。そのなつかせ方にもいろいろありますが、イヌのようについてまわるようになります。ただ、それは飼い主の愛情を引こうとするのではなく、まわりの動くものをメスの対象と同じにみて寄ってくるのです。オスの場合、もうひとつの特徴は、やたらオシッコを発射することです。それがオシッコなのか、性欲の噴射なのかわかりませんが、かなり臭います。

まあ、概して言えば、ウサギ程度のペットなら捨てるほどのものではありません。手間がかからないほうです。どうせなら、死ぬまで飼っておいたらどうでしょうかね。せいぜい4~5年ですから、寿命は。