障害年金について、当事者関係のいろいろな界隈から話題になる。
人生を真剣に考えられる人であれば、ましてや家族持ちであれば、自分が傷病障害でバリバリ働けない状況となったのであれば、必死に考えることだと私は思う。
障害年金のデメリット、について尋ねられた。
なお今回は、障害年金を受けていない当事者向けに、ざっくり書いている。
ここで改めてデメリットをまとめると、「不確定」「不確実」であることが最大のデメリットだと思う。
障害年金は老齢年金と違い、認定されれば一生涯保証されるものではない。
1年単位で更新手続きを迫られるのだ。
精神の場合は2年更新が多いと、社会保険労務士関係からは聞く。社労士さんのサイトをいろいろ見てみるといいと思う。1年であると、次は等級落ち〈精神の場合1~2級、人によっては3級があり、その等級が落とされ年金も減るということ〉かも、という書き込みを読んだこともある。
新規申請の場合、提出書類は年金機構指定の診断書式と本人状況の文章がある。
特に診断書が大事だと聞く。本人による状況説明文も、その診断書に沿って書かれていないと審査に漏れる、とも聴いているから重要だ。
この診断書が曲者。まず、診断書を書く医師が、もろもろ考慮勘案し年金受給が必要な状態であるかどうかを考えてくれ、そういう診断書を書いてくれるかどうか。
この診断書、大変長大な作品で、正直書くのを嫌がられる。自由診療の世界で、取る人は8万円取るとも聞く。それくらい、大変な負担感のある作業だ。ちなみに自分の今の主治医は3千円しかとらない。今までかかってきた医者の中で最も読みやすくまともな文章を書いてくれる人。なのにだ。
先生によって見立てはかなり異なる。まったく動けない人にさえ、就労していない人にさえ、2級にならない診断書しか書かない医者の話や、書くことそのものを拒む医者の話を、方々から聞く。こういう医者は当事者に霞を食って生きろと言うのだろう。あるいは紐になる人を探せというのだろう。またはブラック企業に入って自殺するまで働けというのだろう。
医者なのに病気を治せない。なのに年金で経済補給することも拒否する。私にとって人生に困窮する当事者対して年金の診断書を出さない医者は「鬼畜」だ。そしてそういう医者は、残念ながらそこら中にいる。
ちなみにこのブログタイトルにインスピレーションをくれている医師の勤務先は、社労士関係から「使えない集団」と言われている。
「家事をする引きこもり」を治療目標にするのなら、重度の人の強度行動障害対応を得意と自負するのであれば、せめて障害年金の診断書ぐらい。と思うが、
聞こえてくる風評は残念ながら、強度行動障害の人が2級と判定されたり、引きこもりの人が年金を取れなかったり、という話を年金申請専門家から聞いている。申請手続きに対しても非協力的だと感じている。私にとってそういう医者は能無しだ。
医者は臓器や自分の専門は診ても、患者の人生は診ない。人間は診ないことが普通だ。患者の人生なんて、知ったこちゃあないんだ。そしてそういう鬼のような判断を平然とできないとできない仕事かもしれない。
わたしにとって信頼のおける医者は、第一に神田橋先生のような「治せる医者」。精神科関係ではめったにお目にかかれない。せめて「治す気のある医者」にかかりたいと思うし、自分の主治医はその一人だと信じている。
そして「必要な資源を引き出す適切な文章を発行してくれる医者」であることを、私は大事にしている。精神科医は文章屋。処方箋や診断書を書いて助けてくれる人でなきゃあ、いけいなと思うな。
そして、その診断書を年金機構の認定医が判断をする。当然事務方がいろいろな機密データを引っ張り出して認定医に見せ、それらも総合して勘案されると思っている。
私の年金申請に関する師匠である元官僚によると、年金機構は雇用保険や税金のデータも出してきて資料にしているという。
主治医は職歴や給料額データは年金機構が完全に把握しているから簡単に書けばいい言う。
申請や更新の時に、働いているかが大きなカギになると感じている。働いていると等級落ちし、働いていないと2級認定になるイメージを、私は持っている。
無理してがんばっていると基礎年金〈2級〉年額77万+持続化給付金年額約12万を削られ、仕事ができなくなると2級と判定されているのが、私の人生経験で言えることだ。
私の信頼する社労士は講演で、同じ医師が、同じような症状の人に対して診断書を書いても、ある人は2級。あるひとは非該当。とうケースがあるという。だから申請専門家である社労士にさえ、真に正確な基準の把握が困難であると私は理解している。
さらには、どんな人にどんなことを書いてもすべて「非該当」というケースさえあるそうだ。年金機構の認定医から信頼されている医師の診断書でないと、「非該当」になると、その社労士は千人以上はいた大勢の前で言っておられた。
だから私にとって障害年金は、「傷病によって働けなくなった分、転職により減った分を補給できれば御の字」というもの。それくらい障害年半は「不確実」なもの。
可能であれば、人生設計の基盤にはしたくないもの。
しかし無理して働いてきたことによる消耗や老化現象で、食えるだけの雇用が維持されない状況に、私はなっている。
障害年金はこういう時、大変役に立つ。おかげで腰を据えて就職活動に取り組めている。
私にとって障害年金は必要不可欠な資源。「不確実」などのデメリットを超えてなお余りあるメリットがある制度だと感じている。