医者には患者の社会的立場による心身への影響など、関心さえないのかもしれない。
そして医者は、患者の生活が分からない。あたかもかつて、マリーアントワネットが飢えるパリの聴衆に「パンがないならお菓子を食べれはいい」と言ったかのように。
当事者の食生活を聞くと、不摂生な話を聞くことがある。
これは、無知や嗜好によるものもある。
そういうのは、その人の好みだから、仕方のない面がある。
あるいは、病気が無気力にしている面もある。
これらの状況に対しては、自炊する、〈訪問介護などの家事援助サービスにより、食事を作ってもらうことを含む〉という手段を用いて、いろいろな面で改善可能なことである。栄養面でも、経済面でも。
しかしなかには、もっぱらコンビニ弁当などでしのがねばならいな立場の人もいる。自分の部屋に自炊施設がない場合、自分の家がない場合、もっぱら弁当や炊き出しに頼ることになる。
そういう立場の人たちは、ネットカフェ難民、ホームレス、またはそれに近い状態の人たち。そしてホームレスでなくても、福祉にかかっていても、福祉であてがわれた部屋が劣悪で自炊施設なく、「支援者」が持ってくる安物の弁当やカップ麺だけの生活の当事者も、大勢いることを私は知っている。
今日見た医者の動画では、そういう自炊施設のない劣悪な環境にある当事者のことを知らない、あるいは見る気持ちもないのか、とある精神障害当事者たちの劣悪な食生活をあげつらっているようにも聞こえる発言があった。
医者は世の中では最高クラスの社会階層である。社会階層が異なると、異なる階級の立場が見えなくなく、ことは社会学から学んでいるが、まさにそういうことだと思った。
医者には生活保護以下レベルにある当事者たちのことなど、思いもよらないのである。
医者が観て類のは臓器であり検査結果である。患者の社会的立場や、弱い立場の人たちの思いや苦しみなど、なかなか想像ができない。あるいは想像し退所する気もないのだ。
動画を見て残念だと思った。医者は文章屋。処方箋と診断書書いてくれればそれでいいや。わかっちゃくれない。資源が引き出せるように出方言い方を考えるるしかないと思った。