このInstitut社のヴァッレ ダオスタ “マヨレ”(Valle d’Aosta Majolet)は一ヶ月前に抜栓した、コルナリンと同じくヴァッレ ダオスタ州の土着品種で、トッレッテ(Torrette)というワインの一部分を構成しているブドウ品種です。
エーテル香を伴ったレッド カラントの香りはリキュールを思わせ、ドロップ キャンディーの香料的な香りにも感じられます。サワークリーム、シナモンやピンクペッパーの香辛料の香りはふっくらした柔らかさはあるがしっかりした自己主張が感じられる優雅な香りは、展開が華麗で引きつけるような魅力があります。しかし、香りは非常によいのだが、どことなく薫る酸の香りが好ましい状態の味わいを妨げるように、口の中で初めに感じる酸が未熟で前面に出過ぎているために、味わいの構成がちぐはぐな状態でとても残念です。果実味は重厚感があります。フルーティーなアフターテイストにシナモンスティックのようなスパイシーな苦みの後味に心地よい余韻はありますが。何せこの未熟ではしゃぎ回る酸が台無しにしているように思えます。
しかし、3~4年後を期待して待つことにします。抜栓した瞬間に漂う甘い酸の香りを楽しみにして。
シャルドネ90%とピノネロ10%をステンレスタンクと一部木樽で発酵し、バリックで6ヶ月間の熟成の後、瓶内2次発酵を24ヶ月間されます。先回のスプマンテ同様、シャンパーニュ スタイルのワインです。
黄色いりんごや柑橘系の気持ち良くのびのびした香りに、ナッツのような芳ばしい香りとパンの香りは複雑に構成されエレガントです。フルーティーでゆったりした味わいプニョプニョした可愛らしい泡は切れが良く、心地よい余韻へと続きます。
先回のフレスコバルディのトレントは2ヶ月間冷やしながら休ませてから、抜栓をしたのでとても状態がよく。今回のロータリのトレントは1週間休ませてからの抜栓でしたので、ぼやけたような泡と腰がグニョグニョした味わいがあり。もう少し落ち着かせてから試飲をすればよかったと思いました。それにしても、コストパフォーマンスは十分にあり。価格もワインショップで2000円くらいだと思います。インポーターのうたい文句の“毎日飲める瓶内2次発酵ワイン”はおおげさな表現ではないと思います。ロータリが売り出されたことでフレスコバルディに決めかけていた手軽な価格の瓶内二次発酵のワインをどちらにしようか迷っています。3000円台で売れるロータリはシャルマー方式のスプマンテを駆逐しているといっても過言ではなく。フレスコバルディは優雅さが優位にあるも、迷った末にロータリをオンリストすることに決めました。
手ごろな価格で瓶内2次発酵(シャンパーニュ・スタイル)のスプマンテはないかと探していたところ、灯台もと暗し、エノテカさんで扱いのあるフレスコバルディ社のトレント ブリュットを知る。このワインはカタログの表記の仕方が悪く、容易にメトドクラッシコであることが分かるように改善をしてほしいと思いました。
ワインの内容は、洋ナシや黄色いりんごの香りに、トースト香、わずかにハーブ(タイム?)のような香りもあります。造りのよさが伝わる、パンの香りはシャルマー方式(タンク内発酵)では得られない香りです。フルーティで芳ばしい香りは価格以上の品質を感じさせてくれます。酸はとても滑らかでシルキータッチ、ふくよかな果実味はとても上品です。何といってもプニョプニョした可愛らしい泡は十分なきめ細かさがあり、余韻も心地よく感じられます。
ここでちょっとヤバいと感じたのがフェルゲッティーナのフランチャコルタ ブリュットです。清々しい香り、実直な味わいは素直でよいのだが。本田選手の南アフリカ ワールド カップ、初ゴールのようにボールの特性を利用した蹴り方があるように、なにか物足りなさを感じました。そう思われたほどに、このトレント ブリュット フレスコバルディはコストパフォーマンスがよいワインだと思いました。