イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ワインリストを追加

2013-10-31 10:40:50 | ブログ
Amarone_campo_dei_gigli ヴィンテージ違いのフリウラーノ “ドレエ”2011と新たにテヌータ サンタントニオ、アマローネ デッラ ヴァルポリッチェッラ “カンポ デイ ジーリ”(Amarone della Valpolicella Campo dei Gigli)2006をワインリストに加えました。</br> カンポ デイ ジーリは今回から、購入リストの優先順位を上位に持ってきました。このワインは試飲会で一度だけ味わったことはありますが。ノーマルタイプのアマローネを試飲してラインに加えるべきと、常々考えていたワインです。立ち位置ははっきりしません。10年先を的確に見分けられるだけの能力が、私に備わっていないので、根拠のない予想をしています。希望的な観測はより合わせた複雑な香りと味わいを感じる。アッレグリーニが端正でリッチ、カンポ デイ ジーリが複雑で精緻に。私の見込みが当たっていることを願うばかりです。
巷では食材の表示間違いが問題になっています。大正エビは20年くらい前から漁獲が無い状態が続いているはずです。しかし、この大正エビの表記は結構使われています。今頃、日本中でメニューのリニューアルに追われているはずです。その他にも、寿司ネタのブリ、どう見たって脂の乗りから、イナダかワラサ。3キロのサクラマスが幅広ではなく、銀鮭のような体形等々。それに、30日の読売新聞にエビのことが取り上げられていました。私からの補足、エビは淡水養殖か海水養殖で価格が違います。淡水養殖は水のにおいが気になるからです。ここまで知識として持っていないと食材は語れません。

ベルターニ社、アマローネ1997

2013-10-29 09:42:21 | ブログ

Amarone 今回、抜栓したイタリアワインは、ベルターニ社のアマローネ(Amarone della Valpolicella Classico)1997です。去年、Nさんが抜栓して頂いた時は、まだ散らかったような状態で、もう少しエイジングをしなくてはと思っていました。さすがに今回は、完璧に仕上がっていました。
印象はミネラリーな香りがするようなしないような、はっきりと特定できませんが、硯石かな?森の黒い果実、マラスキーノチェリー、バルサミコの香りにスパイスの香り。このスパイシーな香りは、アマローネにしばし感じられる漢方薬の複数の抽斗というより、ズバリ漢方薬。名前は特定できませんが、6~8文字熟語で表記してある、ツムラの漢方薬。「漢薬の臨床応用」の中から甘草や八角が処方されている薬は無いかと探してみましたが。思い描いたような薬は見当たりませんでした。大まかに漢方薬のような香りとして置きます。酸は柔らかく滑らか、まるで白玉団子が口の中で滑っているような感触があり、タンニンも滑らかで苦いとか渋いとかではなく、確かに口の中に存在する。それは、あまりにも軽妙洒脱で実際の感覚と吐いて出る言葉は多くの矛盾をはらんでいます。
先回のカサ デイ ベーピとは、同じネグラールのエリアに畑があります。醸造の方法は大きく違いますが。構造が大きく端正なベルターニ、構成が繊細で精妙なカサ デイ ベーピ。楽しさがまた一つ膨らんだようで、楽しい気分にさせられます。 写っているコルクに亀裂がはいています。これは一気に抜栓をしようとしましたが、上がってきませんでした。そこで、スクリューを少し戻し、わずかに引き抜き、再度差し込んで抜いた時に、失敗して亀裂が入りました。コルクの長さは52mmありました。これで、一気に引き抜ける長さは50mmまで、それ以上は2段階で引き抜かなければならないことが解りました。まだ慣れが必要です。


キアンティ クラッシコ “ドン トッマソ”2001

2013-10-21 08:42:59 | ブログ

Chianti_don_tommaso 今回抜栓したのは、キアンティ クラッシコ ドン トッマソ(Chianti Classico Don Tommaso)2001です。この畑は、キャンティ クラッシコ地区の中で一番北に位置する、サン カッシャーノ イン ヴァル ディ ペーサのエリアの中にあり。ブドウの構成はサンジョヴェーゼ85%とメルロー15%から造られます。このエリアのキャンティの特徴はふくよかさにあると思っています。ドン トッマソをリストアップの際に考えたことは、その特徴を引き出すようにメルローが一役買っているような気がして、導入を決めた経緯があります。
印象は、酸がすっかり柔らかくなり、タンニンもビロードのような滑らかになっていて、順調に飲み頃を迎えています。溌剌としたラズベリー香りに桑の実、スパイス、ココアの香りは充分な厚み優雅さがあります。しかし、この包み込むようなココアの香りは20年前のキアンティには無かったように記憶をしています。これはメルローに起因しているものではありません。ある程度のエイジングをしたキアンティに感じるものですが。これも、芳ばしい香りが、醸造技術の変化でココアやチョコレート、ローストしたコーヒーのニュアンスを明確に意識が出来るようになったのではないかと考えています。しかし、キアンティの中には、「なんでこんなに、酸っぱいの」と思われるワインもあります。


ヴィヴィアーニ、アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ “カサ デイ ベーピ”1997

2013-10-17 09:47:28 | ブログ

Amarone_casa_dei_bepi_2 今回抜栓したイタリアワインはアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ“カサデイ ベーピ”(Amarone della Valpolicella Casa dei Bepi)1997です。
カサ デイ ベーピは10年間のエイジングでわだかまりや唐突さがすっかり消え失せ。優雅な味わいとは、このようなワインを指し示すのだと思います。ミネラリーで漢方薬の抽斗の一つ一つの香りに、マラスキーノチェリー、ラズベリー、桑の実の香りは。胸の高まりを抑えられなくなります。酸は25年物のバルサミコのように酸っぱいが、存在感の抜け殻のような状態になっています。タンニンも同じような状態で、むしろ陰影の深さが立体的になっています。味わいは香りと一緒で胸が高まるような感じを受け、味という無形の3Dを縦横斜めから観察できるような状態になっています。口腔で存在感だけが感じられ、ちっとも目立ったところがありません。アルコール度数が16.5%もあるのにエーテルのつんつんしたところが無く、アルコール感がしないのに、ドライブ感が延々に続くような気になります。アフターテイストが綺麗で抜けていくのが勿体ないような気がします。しかし、アマローネにして澱があったのは若干残念でした。
今回、アマローネを抜栓したのは、新しく買ったソムリエナイフの調子を見るためです。イタリアは固く長いコルクが刺さっているワインが多く、特にアマローネは50ミリ以上のコルクが多く使われています。カサ デイ ベーピは55ミリのコルクだったように記憶をしていたので抜栓しました。しかし、測ってみると50ミリでした。この長さを一回で引き抜いた感じは、一切の抵抗感はなく、至ってスムーズ。ちょっと残念なところは、ナイフにバリが出ていたことです。砥石で裏研ぎをして落としてから使っています。メーカーはアスロ、ラギオールの半分以下の価格です。次に買うとしたらラギオールのラクリマが欲しいと思っています。


サッポロワインのケルナー “グランポレール”

2013-10-13 08:41:24 | ブログ

Kerunermontecucco ワインリストに余市 ケルナー “グランポレール”を追加しました。手頃な価格のケルナーを探すと数が限られてきます。その中にあって、栽培農家の弘津さんの面構えが気に入りリストに加えることにしました。以前にも試飲レポートを書きましたが。ワインの内容はアルト アディジェのケルナーを思わせるのに十分な資質を備えています。このワインは3年後くらいに、外観にうっすらとグリーンが罹ってくると、味わいのミッドレンジの部分が厚みを増し、目力のあるワインなるのではないかと思っています。3年後が楽しみです。
もう一本は、モンテクッコです。産地はモンテプルチアーノの南側になります。2010年はモンテプルチアーノにとって特別な年になりそうなので、対面の産地も、それにあやかり6本ですが買い置きしました。