イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ヴィーノ ノービレ モンテプルチアーノ

2016-01-12 11:32:04 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインはポリツィアーノのヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano Poliziano)2003です。

このワインは当初、当惑するような手強いタンニンを感じました。2003年はひどく熱い年でブドウに生理障害が生じるのではないか、と思われた年です。しかし、果実味が大きくてブドウ ジュースのような状態、と思いきや、タンニンが強くバランスの悪いワインでした。それでも5年くらいのコンディショニングで落ち着いてくれるのではないか、と思いここまで来ました。さすがに、ここまでエイジングをすると味わいは落ち着きバランスが整い、美味しく感じられました。

スミレ、レーザー(動物臭のような)、バルサム、シナモンのゆったりした香り。味わいはバランスが取れふっくらしています。長きに亘り楽しみましたが、これが最後の1本です。ここまでエイジングを済ませた結果、こんなに美味しくなりました、と思わせるワインではない、と思っています。しかし、さらに5年後、20年後のタンニンの変化を見たいと思わせるワインでもあります。


カナイオーロ

2016-01-01 12:45:05 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはビービ グラーツ製カナイオーロ(Canaiolo BIBI GRAETZ)2003です。

抜栓した瞬間にいい香りがし、グラスに注いでいる最中にもスミレの香りが全開で薫ってきました。初リリースの時は、何かと話題を提供してくれましたが、私の知る限りでは、インポーターが去年変わったくらいで、ニュース元にはなっていません。

スミレの香りが一気に充満してから、完熟したプルーン、カランツ、ナツメグ、シナモンの輪郭のくっきりした香り。酸は柔らかく。ほろ苦さを伴った端正なタンニンは適度な厚みがあり、余韻が綺麗にフェードアウトします。

しかし、価格と品質のバランスが悪いと感じました。3分の1以下ならば次の展開を考えたいと思います。それにしても、ブドウの資質なのか、造りの問題なのかは解りませんが、時間の経過を楽しめるワインには、なれないような気がします。