今回抜栓したイタリアワインはポリツィアーノのヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano Poliziano)2003です。
このワインは当初、当惑するような手強いタンニンを感じました。2003年はひどく熱い年でブドウに生理障害が生じるのではないか、と思われた年です。しかし、果実味が大きくてブドウ ジュースのような状態、と思いきや、タンニンが強くバランスの悪いワインでした。それでも5年くらいのコンディショニングで落ち着いてくれるのではないか、と思いここまで来ました。さすがに、ここまでエイジングをすると味わいは落ち着きバランスが整い、美味しく感じられました。
スミレ、レーザー(動物臭のような)、バルサム、シナモンのゆったりした香り。味わいはバランスが取れふっくらしています。長きに亘り楽しみましたが、これが最後の1本です。ここまでエイジングを済ませた結果、こんなに美味しくなりました、と思わせるワインではない、と思っています。しかし、さらに5年後、20年後のタンニンの変化を見たいと思わせるワインでもあります。