イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ポッジョ レオーネ、モンテクッコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ 2006

2014-11-26 09:00:02 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはモンテクッコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ “ポッジョ レオーネ” (Montecucco Sangiovese Riserva)2006です。この産地は、モンタルチーノの川を挟んで西側に位置しています。よく言われている、味わいを単純に言い表すとすれば、ブルネッロとモッレリーノの中間です。しかし、私はこのワインをリストアップする決め手は、モンタルチーノに感じている、壁のように立ちはだかる威厳を取り払うような柔らかさを感じたからです。


 この1ヶ月間の試飲会では、バジーレ社のモンテクッコがありました。ポッジョ レオーネから目移りするような、要素は感じられませんでした。よって次点にして置いてあります。見方を変えなければいけないと思ったのが、ブルネッロです。先日に合同の試飲会があり、帰り間際にAVICOの阿掛さんから「僕が最初に手掛けたコンティ コスタンティ社のブルネッロを飲んでいってください。」のお声掛けがあり、飲んでみると。既に、酸は角が取れ鞣されたようなタンニン、エーテル香も心地よくなっていました。さらにファンティ社のブルネッロも傾向が似ていると感じました。


 先週の火曜日は師匠のところにお泊り、アマローネとブルネッロ “ポッジョ アル ヴェント” 1997を持参しました。この日のことはアップしませんでしたが。独り大盛り上がりで、最後は自沈。次の日は二日酔いで、ぐずぐずでした。この状況の中で記憶にあるは、10年間エイジングをして、ようやく抜栓出来る状態になっているのに、前での2本は早く飲めるように造りを変えて来ているのかな、と感じたことです。 このモンテクッコをブルネッロのお手軽版にするのではなく、セールスポイントを何とか見つけ出したいと思っています。しかし、もどかしくも戦うための武器を見つけられません。


感想です。アイリス、バルサミコ、桑の実、サクランボ、クローブの豊かで輪郭のくっきりした香りを一刷毛するように煙草の香り。ほっこりした柔らかな酸とタンニン、弾力のある豊潤な果実味は四隅のくっきりした豊かなグラデーションのある味わいがあり。心地よいフルーティーなアフターテイストに長い余韻があります。


甲府 金山 甲州 “金山” 2012

2014-11-12 09:40:18 | ブログ
日本のワインを新しくリストに加えました。このワインもイタリアに倣って、市町村という大きな括りから地区名、ブドウ品種、名称の順番で表記しています。
金山地区の甲州種100%から造られます。熟成はオーク樽とステンレスタンクを併用しています。このワインは試飲会で気に入り購入を決めました。樽熟して造られる甲州は一部に否定的に捉えられていますが。私は美味しいと思えば、表現の一手段だと思っていまので、意に介していません。他にも気に入っている甲州はたくさんあります。しかし、集めだすと切りが無くなるので、このくらいにして置くつもりです。
この価格なので、凝縮感はそれなりにあり。それに伴ってスケール感もあります。座りの良い味わいはヴィンテージに由来していることが大半のような気もしますが。構えのしっかりしたワインです。

ドメーヌ 蘇我・余市 登 ケルナー “ナカイ ブラン”2010

2014-11-07 10:28:13 | イタリアワイン
今回は北海道のワイン、ヨイチ ノボリ ケルナー “ナカイ ブラン”(Yoichi Nobori Kerner “Nakai Blanc”)2010です。ワインの呼称が長くなりましたが。アルト アディジェのワインならば、このような表記になるだろうなと、エチケットに書かれている文字を再構成した呼称です。王冠を被せているのは、泡が残っているヴィヴァーチェの状態になっているためです。
写真では解りづらいと思いますが、注ぐと泡立ちの後に、笹濁りの状態が少し続きます。当初感じていたような、華やかな感じから、青リンゴのニュアンスのある洋梨やマジョラムの温かみのある重層的な香りがします。購入した当初は複雑な香りでしたが、洗練されたボリュームのある香りになっています。酸も洗練され優しさがあり、果実味も同じような印象を受けました。実は半年前に2011年を抜栓したのですが。どんよりした切れかけの蛍光灯のような状態でよろしくない。寂しく、何もレポートが出来ませんでした。これならば、楽しむことが出来ました。しかし、このワインもプライオリティーが私の基準に達していません。
間違いがなければ、蘇我さんの隣のブドウ畑にリカルド コタレッラ氏がエノロゴとして監修に当たるそうです。土壌や気候データーなどの解析は順調に進んでいるようです。改埴するのか、このままで行くのか、まだ決まってはいないそうですが。イタリア品種をチョイスしてくれたら、と思っています。