イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ジャン=ロベール ピット「ワインの世界史」

2013-02-14 09:59:17 | ブログ

Photo 原書房出版、ジャン ロベール ピット 著書、幸田礼雅 訳の「ワインの世界史(海を渡ったワインの秘密)」の紹介です。前回、コメントを頂いたKatabamiさんへの返礼その2でもあります。
政治学の視点からワインの歴史を書いているので、ワインがかくのごとき政治的に利用された経緯があったのだという事は解りました。しかし、当初考えていた「プリニウスの博物誌」のラテン語で書かれてある地名を現代の読みにするには役立っていますが。前半は退屈で、後半の3分の1の第8・9・10章で興味を惹かれるような内容になっていました。 読み終えて思った事は、ソムリエ協会のワイン読本に出てくる歴史が簡素な文面になっているが解るような気がします。ワインを扱う人達が仕事のための知識としての歴史を考えると。政治や宗教が係わってきた戦略なり時代背景の説明は関係のない話だと思いますし。それこそ美酒の喜びを謳歌する事とは無関係だと思います。そして、著者は書いています「ブドウ畑の風景は楽しい」、「ワインは、その宗教的機能の改善を図りつつ、他方で恵み多き飲食物として、あるいは社交的な原動力として、さらに快楽の源泉として評価されてきた。それが、ワインの大きな美質なのだ。」と。

ふと思った事は、経済なり人文学の側面からワインの歴史を紐解くと、どのような展開になるのか。甘いワインからドライなワインへ、何故移っていたのか。ワインの流通の時代変化。ポンパドール夫人のヴェルサイユ宮殿でのワインの逸話。ダキテーヌ夫人とボルドーワイン。リカーゾリ男爵がキアンティのフォルムの誕生させた秘話等々。ローマ帝国崩壊以後の修道院、宮廷、商人が絡む食えない話、笑えない話にシモネタと話題が満載のような気がしてなりません。
読み終えた本を見ると、かなりの数の付箋が貼られています。後々の参考資料になると思います。そして、請謁ながらイタリア ワインかぶれの料理人より、訳者の幸田礼雅に一言、Chiantiをキャンティでもいいのですが、出来る事ならばキアンティとして頂きたい。よろしくお願いします。
こうなると、もう一つ塩野七生さんへ、ローマ帝国崩壊後の十字軍物語も終わった事ですし。ローマ帝国崩壊後の物流物語、特にワインの物語を書いてください。とは言っても、このブログを読んでいるはずもないのですが。しかし、読みたいな~。


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1 コメント

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「ワインの世界史の感想」を読ませていただきまし... (katabami)
2013-02-18 02:14:07
「ワインの世界史の感想」を読ませていただきましたが、実際に自分でも読んでみないと今ひとつピンときません。

何時になるか分かりませんが、「ワインの世界史」を読んだ後に改めて感想を読ませていただきと思います。
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