イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ボルゲリ ロッソ “レ マッキオーレ” 2006

2010-11-18 10:17:30 | 食・レシピ
Photo このワインはヴィンテージによる差異はあるかもしれませんが、リリースされた直後(1ヶ月間くらいは静置が必要)から抜栓することが出来るワインです。セラーに入庫したのは2008年6月です。
リストアップした時のコメントを読み返すと、当時はあまり感じることが出来なかった、ゆったりした豊かな果実味が心地よく感じられます。以前は“しっかりした”程度の記憶しかなかっただけに、思いがけない変化に嬉しくなります。香りは森の黒い果実とスパイス、滑らかな酸とタンニン、フレッシュな果実味は構成のバランスが良く華やか。ふっくりした味わいと香りを楽しめるワインでした。

アルト アディージェ ピノ ネロ “サルトネル”2004

2010-11-05 09:16:50 | 食・レシピ

Photo 今回はカルダーロ地区から産出される、アルト アディージェ ピノ ネロ“サルトネル”(Alto Adige Pinot Nero “Saltner”)です。この地域のワインは、イタリア語とドイツ語のほぼ2ヶ国語表記になっています。中にはドイツ語表記をされただけのワインもあるので、SÜDTIROL(南チロル)という意識の強い土地柄であるようです。このワインの産地は地理的には、サンミケーレ エッパンの少し南側にありアディージェ川から同じくらいの山麓に位置しています。
手頃な価格で熟成感も楽しめるピノ ネロをストックし、後日の楽しみにしようと思い選んだのですが。今回抜栓して感じたことは、薬箱のような香りが一番先に飛び込んできたことです。薬用植物のような香りをスパイシーな香りと表現するかケミカルな香りと表現するのかは、悩ましい問題ではありますが。このまま、NGな香りに進んでいかないように、願うだけです。しかし、味わいは邪魔な要素がありますが。さらりとしたタンニンにしっとりした華やかな酸は、まだまだフレッシュ感があります。森の赤い果実のニュアンスは感じられませんでしたが。クランベリー、ブラックベリーの成熟した香りと味わいはゆったりした広がりがあります。気になる(不愉快な)スパイシーなアフターテイストに心地よい余韻が続きます。
今回は熟成している途中の本来は見てはいけない過程での抜栓をしてしまったと思っています。しかしながら、内心は以後の瓶熟が無駄にならなければよいのだが。