イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ピエトラドルチェ、エトナ ビアンコ “アルキネーリ”2011

2013-01-29 09:03:22 | ブログ

Photo Etna Bianco Archineriは試飲のために取り寄せたワインです。インポーターからの情報では、ひょっとして、まだ硬さが残っているかもしれないとのことでした。事前に調べた限りでもコンディショニングを長く取る事で、良い結果が得られるように思えたのですが。しかし、香りは開いているし、硬くない味わいに拍子抜けをしました。
色調は麦藁色。完熟した洋梨、黄色いリンゴ、金柑の香りに華麗なフローラルな香りを確認する事が出来ます。その中で金柑の香りは、翌日に原稿を書いている最中に思いついた香りで。当日は青いニュアンスを感じるのですが、具体的な香りにたどり着ずに、柑橘系としか思い浮かばなかった香りです。もう一つ漠然としているのは、フローラルな香りです。ユリの花のように強烈な香りではないのですが。生キャラメルやミルクチョコレートの濃厚でない香りを、花束の中に感じるのか、複合的な花の香りなのかが、どうしても整理が出来ませんでした。残念だったのは、ミネラルな香りを見つけられなかった事です。 味わいは、酸は滑らかで清楚、輪郭のはっきりした調和のよい果実味は重層的で適度なボリュームがあります。
抜栓価格5000円を予定していますが。リストに加える作業をしばらく考えます。

N

ファーロ “クワットロ N”は評価買いをしたシチリアのワインです。もう一本のカーザマッタは特売があり、ハウスワインとして一緒に購入しました。


トレント“ジュリオ フェッラーリ” 1997

2013-01-23 10:12:20 | ブログ

1997 Trento Brut Giulio Ferrari Riserva del Fondatore 1997は6年前に購入したスプマンテです。当時3本購入し、これが最後の1本になり、節目のこの日に抜栓をしようと決めていました。
シャルドネ100%をシュール リー96ヶ月間されたスプマンテです。色調が黄金色を帯びています。グラスに注がれても香りが漂ってきません。むしろ、香りのドームがゆらゆらと浮かび上がる泡を受け止めるように、確かにそこに存在をしています。ゆるゆると鼻腔を複雑に交じり合う潔い香りが通り過ぎると、その優雅さに胸がいっぱいになります。白桃、洋ナシ、黄色いリンゴと余韻の長いウエハースの香りに、すらりとして一点の曇りのない味わい。清く艶めかし泡はするすると咽喉を通り過ぎていきます。幸せな気持ちにさせてくれるトレントでした。
不満を一つ言えば、泡がかなり抜けていた。


サンジョヴェーゼ ディ ロマーニャ ロマンディオーラ

2013-01-10 09:54:32 | ブログ

Photo サンジョヴェーゼ ディ ロマーニャ ロマンディオーラはハウスワインとして用意をしているワインです。私はこの抜栓価格2500円、グラスで500円のワインを価格だけをターゲットにはしていません。まとめ買いをして、セラーで2ヶ月間くらいはコンディショニングをしてから、提供するようにしています。
今回は、思わぬ発見をしたのでレポートすることにしました。このエミリア・ロマーニャ州の低価格のサンジョヴェーゼは大量生産のチープなワインであると以前は考えられていました。しかし、近年は、補助金がカットされ、ワインの消費が低下してくると、凝縮感のある造りをした趣向性のあるワインへと一部を移行させます。品質に目を向けると普段飲みのワインも引きずられるように質が向上した典型だと思います。このサンジョヴェーゼは日常ワインの範囲です。にもかかわらず、この内容は価格以上の品質であると思いました。
ブルゴーニュのワインに例えるは好きではないのですが。方向性は果実味のしかりしたブルゴーニュでしょう。ラズベリーやイチゴのキャンディの香り華やかさはありませんが。しっかりと主張をしています。酸も柔らかくタンニンは本来の渋さや苦みを供はない、はんなりとした柔らかさがあり。調和もよく洗練された味わいがあります。 アヴィーやプルーノを含めエミリア・ロマーニャ州のサンジョヴェーゼを見ていると、トスカーナのサンジョヴェーゼとは明らかに違う心境を開いているように思えます。


アーヴェ クラッシコ “カルヴァリーノ”2006

2013-01-03 22:30:44 | ブログ

Photo 今回はソアーヴェ クラッシコ “カルヴァリーノ”(Soave Classico “Calvarino”)2006を抜栓しました。先々回のタメッリーニ社のソアーヴェ クラッシコ “レ ビーネ デ コスティオーラ”は今風の味わいで、慣れ親しんだソアーヴェを味わいたかったからです。

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カルヴァリーノはトレッビアーノ ディ ソアヴェが30%を含められています。何種類かリストにあるソアーヴェの中で、これだけがガルガネガ100%でないワインです。だからと言って古典的なソアーヴェではありません。期待していた、アーモンドの香りはしっかりと感じられます。ニワトコか灌木のような香り(銘柄を見ているためか?)が感じられるような気がします。それに、ナシと柑橘系の香り。思い返せば、2000年までのソアーヴェには柑橘系の香りは感じられなかったと思います。
甘夏柑に似た素朴でゆったりした酸と心地よいほろ苦さ、優雅な果実味はバランスよく、力強さがあります。色調は若いうちは麦藁色だったと思いますが。これもコハク色に変化をしています。これだけしっかりした酸があるので熟成感を楽しめるワインになってくれると思います。

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キアンティ クラッシコ “カステッロ ディ ブローリオ”1997

2013-01-01 20:27:56 | ブログ

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今回のイタリア ワインは、キアンティ クラッシコ “カステッロ ディ ブローリオ”(Chianti Classico “Castello di Brolio”)です。
抜栓し封印が解かれると同時に、柔らかく繊細なカカオを伴ったフルーティーな香りが鼻腔に届けられ。わずかにスパイシーな香りを確認することが出来ます。色は綺麗なルビー色で老成したニュアンスを見つけだすことが出来ません。香りは今だってフレッシュで上品。口に含むと質量や存在感を一切主張しない、とにかくワインが口の中にあるような気がしない。そのように感じるくらい軽い。すらりとした酸とタンニン、今だってフレッシュな果実味は柔らかく、豊かで、精緻。何より、味わいの背景に描かれるグラデーションの緻密に豊かに描写をされています。フローラルでフルーティーなアフターテイストに余韻の印象が特徴的でふわふわした感じを覚えました。
こうなると、なんだか嬉しくなって、ヴィン サントを味わいたくなり、セラーに取りにいく。2本目は、ヴィン サント デル キアンティ クラシッコ “ベラルデンガ”(Vin Santo del Chianti Classico “Berardenga”)に決める。香りは華やか、味わいは重層的。あえてコメントをすると、酸の柔らかさが甘さを、どのように制御しているかだと思います。
今回の日記は、芸能人格付けチェックを見ながら書いています。それにしても石田氏はワイン正解しませんね。