イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

チェルケッタ社のモンテコンパトリ スペリオーレ

2011-11-25 09:53:31 | ブログ

Photo ハウスワイン用に初めて購入した、モンテコンパトリ(Montecompatri)はマヴァジーア種を主体で造られる白ワインです。イタリアの首都ローマの近郊から生産される、フラスカーティに代表される「カステッリ ロマーニ」と言われている一群のワインです。 フラスカーティのようにセージのような香りが特徴ではありません。フローラルな香りとシトロンのような酸とそれに伴う香りが心地よく感じられ。くっきりした果実味とアフターテイストも比較的しっかりとあります。 わずかに飲み残したワインを翌日に見てみると、黄金色を帯びた色合いに変化していました。フラスカーティはヴィンテージのよい年はエイジングすることで熟成した香りが楽しめます。このモンテコンパトリはその兄弟のようなワインなので、同じような状態になってくれたらいいなと思い。数本をエイジングしようと計画をしています。

久しぶりに、ワイン以外の話をすることにします。数日前、夕方のテレビで紹介されていたアンチエイジングの料理の作り方にはしばし目が点になりました。
それと言うのも、豆腐で作るハンバーグの中に、黒くなっていくゴボウの摺り下ろしを混ぜ込んでいたからです。それ自体が問題ではなく、アク抜きをしていないゴボウは食べ続けると、このアクの影響で顔が黒ずんでくるからです。
それに次の料理の油の量です。中華鍋に50mlくらいの油が敷かれ、その中に溶き卵と豆腐が投じられ火が通り、ご飯の上に。同じ鍋であんが作られ、豆腐のスペインオムレツ風のあんかけご飯の出来上がり。
ふあふあ卵に仕上げたいために、鍋に当たらないようにするために大量の油を使いたくなる気持ちは解るが。油は1gが9カロリーなので、それだけでおおよそ450カロリーはあり、目的が本来と違うような気がします。それにしても、私が、とやかく言うべきではないと思っていますが。しかし、一言「タニタ食堂、一食 塩分3グラム 500カロリー」。


バルバレスコ “パイエ”とエトナ ロッソ “フェウド“

2011-11-21 09:51:47 | ブログ
Photo_2 新入荷のワインです。ロアーニャ社、Barbaresco Paje 04とジローラモ ルッソ社、Etna Ross Feudo 08をリストに加えました。バルバレスコはGajaの成功に追順する動きから、大樽やスフト(700リットルくらいの中樽)での熟成に回帰しています。その中にあって、大樽での熟成の権化のようなバルバレスコは、「1世紀半以上前から、全く変わっていない。今後も変わらない。」をうたい文句にしています。かつて、リストに加えようと準備をしていたのですが。以前のインポーターが終売させてしまい、試飲する時点で導入が頓挫したワインです。
もうひとつのエトナ ロッソは以前試飲会で気に入り、今回、他ワインと合わせて購入したワインです。エトナ ロッソはブルゴーニュのピノ ネロ(ピノ ノワール)のような味わいであると紹介されています。しかし、酸とタンニン、ミネラルの感じは似ているような気もしますが。スターアニスや実山椒を彷彿とさせる香りにドライになった葉っぱの印象がブルゴーニュとはちょっと違うかなと思っています。
ちなみにエトナ山は福島県の会津磐梯山とほぼ同じ緯度にあります。日本とは気候が違うので単純な比較は出来ないと思います。
写真の真ん中はCarema Riserva2006、コメントは以前に書き留めていた文章をリストに添付しています。

グロシアン社、ヴァッレ ダオスタ プティ アルヴィーヌ “ヴィーニェ ロヴェッタ”2010

2011-11-15 09:33:31 | ブログ

Photo プティ アルヴィーヌ(Valle d’Aosta petite Arvine “Vigne Rovettaz”)は今年の春の展示会で購入を決めた白ワインです。最初の印象は必ずしもよいものではなく、香りと味わいが価格に見合わないと思いがありました。しかし、見ように気になるワインで後ろ髪を引かれる思いを断ち切れずに、発注をしてしまったワインです。何といっても決め手はカタログに書き込まれていた「10年くらいは熟成をする」でした。
前回にレポートしたフラスカーティのようなワインもあれば、圧倒的に多数のサラサラ系のワインは低温での発酵、ステンレスタンクで熟成されたフラスカーティやオルヴィエートのように、4年ぐらい瓶熟をすると色は黄金色になり熟成香も楽しめるワインもあります。これと同じような瓶熟を重ねることで変化を楽しめるワインであればと期待を込めてセラーでエイジングをしているワインです。


ォンタナ カンディーダ社 フラスカーティ スペリオーレ セッコ “ルナ マーテル”

2011-11-08 09:57:33 | ブログ

Photo このワインは、一部分に醸し発酵が行われていることを知り、購入を決めたワインです。現在広く行われている、低温にして発酵する方法から、以前のような赤ワインを造るように果皮浸漬を長く温度を高くすることで果皮がワインに影響を与えます。
色調は輝くような黄金色。成熟した洋梨、柑橘類の香りにホワイト ペッパーもしくはセージの香り。グレープ フルーツのような爽やかに切れのある優雅な酸にたっぷりした果実味は調和がよく奥深い味わいがあり。ミネラリーでスパイシーなアフターテイストに長い余韻が続きます。
3 5 10年後が楽しみなワインだと思います。 現代的な低温でのスキンコンタクトやマセラシオンは従来の設備では思いもよらない方法であったはずです。人工的に醸造環境を整えることにより、確かにクリアーなワインが出来たかもしれないが。同時に失ったものもあったはずです。必ずしも、技術革新からもたらされたワインが美味しいとは限らない。そのように考えると、これこそ温故知新だと言えると思います。
すべてのフラスカーティが、このスタイルを取り入れることには反対ですが。選べる選択肢が増えることは、楽しみが増えることですから、歓迎すべきだと思います。


“アンブルコ”パッラグネッロ ネロ 2008

2011-11-01 08:39:29 | ブログ

Photo 以前より気になっていた、パッラグレッロ ネロ種のワインを、暫く行き来の途絶えていたインポーターが取り扱っていることが判明し、試飲用を早急に取り寄せました。このカンパーニア州の“アンブルコ”パッラグレッロ ネロ テッレ デェル ヴォルトゥルノ(Ambruco Pallagrello Nero Terre del Volturno)は、なかなか不思議なワインです。
リリースされたばかりで飲み頃を迎えていないような気もしますが。しかし、香りや味わいに違和感はありません。とにかく、猫の目のように香りや味わいがくるくると変化します。
チョコレートかなと思えば、バルサミックに、そうかと思えば、タバコやスモーキーな香りに変わり、焦点を絞らせてくれません。それに、スターアニスなのかコリアンダーなのかも、大雑把なくくりでオリエンタルなスパイスと表現し、ブラックベリーとブルーベリーの香りも両方あるようでないようで、混沌とした渦巻の中に入り込んで、目を回しているような状態に陥らされます。 しかしながら、香りの印象はとにかく広さの演出が整然としています。味わいも宇宙のような広がり感があります。
チャーミングな酸と華奢なタンニンが好印象で、ごついだけの果実味と表現が出来ない、“宝石箱”や“メリーゴーランド”などの単純な語句も使えない、広さの空間演出の上手さがあります。
この文章を書くにも実は1週間ほどかかっています。単語は出て来るのですが、それが文章にまとめられずに頭の中を空回りしていたからです。味わいに質感があまり感じられず、空間の広さが感じられるワインを記憶していないので、飲んでいる最中にも表現の仕方に悩んでいましたが。とにかく不思議と新感覚を楽しむことが出来ました。しかし、3年くらいのエイジングでどのように変化すか、楽しみが増えたのも、事実です。