今回、抜栓したイタリアワインはスフルサート ディヴァルテッリーナ 5 ステッレ(Sfursat di Valtellina Cinque Stelle)です。ヴァルテッリーナの産地はアルプスの山裾に棚式のブドウ畑が広がっています。そのために機械を入れる事が出来ません。100日間、陰干しにしてから造られるスフルサート(スフォルザート)は単一畑のワインを私は見た事が無いので、条件の悪い区画のブドウは糖度を高めるために、陰干しをしてからワイン造りをしているのではないかと思っています。
印象は、桑の実、野バラ、バルサミコの香りは素直で弾力と広がりがあります。このシンプルに感じる香りは陰影に富んでいて深さを感じました。タンニンと酸はふんわりとした柔らかさだけが溶けて流れ落ちたような印象を受け。13年間のエイジングが嬉しくなるような結果をもたらしてくれました。香りと風味はシンプル、口に含むと大海原が口蓋で展開しているような錯覚を起こし、とてもダイナミック。何よりアフターテイストが圧巻、クローブやシナモンの甘いスパイスが来たかと思えば、ローストした胡桃のような芳ばしさを感じ、色とりどりの金平糖が夜空に咲く花火のように浮かび上がってきます。残香のような余韻が愛おしく思わせ、しんみりとさせられました。


リストのバリエーションを考え、お手頃なワインをリストアップしようと、あれこれ探し試飲していくとカンパーニア以外にも捨てがたいアリアニコから造られるワインがあり、現在のリストになりました。ファレルノからタウラージ、そしてお隣の州のヴルトゥレは火山性土壌つながり。ヴルトゥレもバリーレは火山性土壌でも東側のヴェノーサは粘土質、さらに東側のプーリア州のカステル デル モンテ土壌がどうなっているか解りませんが、気候が地中海性になり影響が違ってきます。このプーリアで長期熟成させられるアリアニコではないかと目星を付けたのがボッカ ディ ルポです。以前試飲した時は、リリースされて間もなくでも短期間のコンディショニングで抜栓出来ると思っていました。私が調べた範囲では、レポートが何も見つからなかったので、先の事は何も解りません。後4年ぐらいはエイジングをしたいと思います。ちなみに、現行のヴィンテージは2009です。