イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

しょぱくないパンチェッタ

2013-08-31 10:31:17 | ブログ
Pancetta 何年もの間、塩分10%以下のパンチェッタを試行錯誤しながら試していたのですが。ようやく出来ました。以前、造ったパンチェッタは水にさらし過ぎて、塩分が抜け過ぎました。不思議な事に腐敗もせずに、順調に風干が進み食べてみると、発酵した風味がしないパンチェッタが出来上がっていました。そこで今回は、塩抜きを大幅に短縮して、風干を3週間し試食すると、いい塩梅のパンチェッタになっていました。これ以上、風干すると干し肉になってしまうので、ワンポーション80gにしてパッキングを済ませました。今現在は、肉の風味が強いのですが、パッキングの中で発酵熟成の変化を見守りたいと思います。

スフルサート ディ ヴァルテッリーナ チンクエ ステッレ 1997

2013-08-17 22:28:21 | ブログ

Cinqestelle今回、抜栓したイタリアワインはスフルサート ディヴァルテッリーナ 5 ステッレ(Sfursat di Valtellina Cinque Stelle)です。ヴァルテッリーナの産地はアルプスの山裾に棚式のブドウ畑が広がっています。そのために機械を入れる事が出来ません。100日間、陰干しにしてから造られるスフルサート(スフォルザート)は単一畑のワインを私は見た事が無いので、条件の悪い区画のブドウは糖度を高めるために、陰干しをしてからワイン造りをしているのではないかと思っています。
印象は、桑の実、野バラ、バルサミコの香りは素直で弾力と広がりがあります。このシンプルに感じる香りは陰影に富んでいて深さを感じました。タンニンと酸はふんわりとした柔らかさだけが溶けて流れ落ちたような印象を受け。13年間のエイジングが嬉しくなるような結果をもたらしてくれました。香りと風味はシンプル、口に含むと大海原が口蓋で展開しているような錯覚を起こし、とてもダイナミック。何よりアフターテイストが圧巻、クローブやシナモンの甘いスパイスが来たかと思えば、ローストした胡桃のような芳ばしさを感じ、色とりどりの金平糖が夜空に咲く花火のように浮かび上がってきます。残香のような余韻が愛おしく思わせ、しんみりとさせられました。


恒例のベークド トマト

2013-08-08 09:59:34 | ブログ

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夏になると作るのがベークド トマト、ごく弱火にしたオーブンで40時間くらいかけて火を入れます。今回はアイコという品種ですが、カンパリその他の中玉トマトで造ります。本来はシチリアの天日干しトマトをモデルにしているのですが。湿度の低い北海道でも、天日干しにするのは難しいので、毎夏ごとに、オーブン焼きにします。例年だと7月には造るのですが、今年は天候が不順で野菜の出遅れが目立ちます。


ヴァルテッリーナ スペリオーレ “ヴィニェート フラチア”とヴァルポリチェッラ ヴァルパンティーナ

2013-08-06 10:26:00 | ブログ
Photo ヴァルテッリーナ スペリオーレ “ヴィニェート フラチア”(Valtellina Superiore Vigneto Fracia)とヴァルポリチェッラ ヴァルパンティーナ “セッコ ベルターニ”(Valpolicella Valpantena Secco Bertani)を新しくワインリストに加えました。 ヴァルテッリーナ フラチアは5つのソットゾナ(地区)のもっとも東側に位置しヴァルジェッラ地区の中にあります。温暖化の影響かランゲのネッビオーロが段々と酒精が強くなってきているような気がします。そうすると、北部ピエモンテのネッビオーロに昔のバローロの面影を見つけ出せるような気がしてリストに加えました。価格も手頃感があります。それに、10年先を見据えてストックをしなくても、3 4年で飲み頃を迎えると思われる点もいいのではと考えています。しかし、陰干をしてから搾什されるスフルサートならば、10年くらいの年月が必要だけれど、ノーマルのヴァルテッリーナの飲み頃のサイクルがまるで解らないので、徐々に探っていきたいと思います。ちなみに、2008年は6月まで雨が多く、そのため収量の制限を早い段階で済ませ、回復を待ちました。病気の蔓延については触れられていませんでしたが。7月以降は天候が安定し、問題になるような出来事には触れられていませんでした。むしろ収量を制限した事が、後々よい方向にブドウが仕上がり、ワインが出来上が良かったようなニュアンスでレポートに報告されていました。 セッコ ベルターニは2010年が安定した天候の年である事と、評価が例年より高かために、ヴィンテージを楽しめるワインになるのではないかと、期待してエイジングする事にしました。

カステル デル モンテ アリアニコ “ボッカ ディ ルポ”2007

2013-08-01 09:52:36 | ブログ
Aglianico_bocca_di_lupo カステル デル モンテ アリアニコ “ボッカ ディ ルポ”(Castel del Monte Aglianico “Bocca di Lupo”)は新しくワイン リストに加えたイタリア ワインです。プーリア州のワインですが、酸と果実味のバランスがいいワインです。とは言ってもこのヴィンテージは試飲をして買ったわけではありません。2002とか2004を試飲していた5年くらい前の印象では、タウラージと比べて物腰の柔らかさが、アリアニコらしくないと思っていました。
リストのバリエーションを考え、お手頃なワインをリストアップしようと、あれこれ探し試飲していくとカンパーニア以外にも捨てがたいアリアニコから造られるワインがあり、現在のリストになりました。ファレルノからタウラージ、そしてお隣の州のヴルトゥレは火山性土壌つながり。ヴルトゥレもバリーレは火山性土壌でも東側のヴェノーサは粘土質、さらに東側のプーリア州のカステル デル モンテ土壌がどうなっているか解りませんが、気候が地中海性になり影響が違ってきます。このプーリアで長期熟成させられるアリアニコではないかと目星を付けたのがボッカ ディ ルポです。以前試飲した時は、リリースされて間もなくでも短期間のコンディショニングで抜栓出来ると思っていました。私が調べた範囲では、レポートが何も見つからなかったので、先の事は何も解りません。後4年ぐらいはエイジングをしたいと思います。ちなみに、現行のヴィンテージは2009です。