トレーニング2回目はレスタ社のプリミティーヴォ ディ マンドゥーリア(Primitivo di Manduria)2010です。プーリア州でプリミティーヴォ100%から造られるこのワインは、短期間のコンディショニングでこんなにも変わるものかと、関心をしました。ワインリストのコメントには、あれこれ香りのことを書きましたが。すでに一体化していて、桑の実にプラムのフレッシュな香りに、何となくスパイシーな香りを見つけることができます。何といっても酸の味わいが素晴らしい、ポピュラーなバルサミコ酢よりよっぽど、美味しいように感じました。それは、酸の角が立っていないので、結構な酸があるのに酸っぱいと感じません。これならば、アイス クリームのトッピングに使えそうです。このうまうまな酸と初なタンニンが特徴だと思います。
今回抜栓したイタリアワインはバローロ ヴィーニャ ラ ローザ (Barolo Vigna la Rosa)1997です。フォンタナフレダ社は1999年にワインの大幅な見直しをします。その前哨戦が1997年から始められています。前任のエノロゴが仕込んだワインを引き継ぎの後任のエノロゴが途中から熟成の工程を変更しています。今までの大樽での熟成からバリックや新樽を積極的に使用し始めた時期で、モダンバローロへ移行する最後の組かと思われていましたが。今にして思えば、基本は大樽熟成であるが、新たな表現を見つけ出していることが、今回飲んで解った気がします。バローロはアルヴェイザー型の瓶を使用していますが。フォンタナフレダは独自の形状をした瓶を使用しています。写真から解りづらいかも知れませんがコルクにはTENIMENTI DI FONTANAFREDAの文字がすでに刻印されています。
香りはとにかく奥行きがあります。複雑になり過ぎているために、特定することが困難で、フルーティーとしか表現ができません。しかし、7から9くらいの香りの線が意識の中に、とめどもなく緩々と伸びていくのは解ります。引き込むでもなく、抱きかかえるでもなく、只管に奥へ奥へと進んでいくような印象を感じました。バローロによくある、ドライフラワーの香りの印象はありません。息遣いが聞こえてくるような、フレッシュな香りと味わいがあります。抜栓したては、酸が覆いかぶさるように占めていましたが。10分くらい過ぎたくらいから、靄が急に風で飛ばされたように、クリアーで滑らかな酸とタンニンを感じることができました。グラデーションが豊かで深く、生き生きとした味わいがあります。余韻も深みに持っていかれるような感じがありました。