イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

グロシアン社、ヴァッレ ダオスタ プティ アルヴィーヌ “ヴィーニェ ロヴェッタ” 2010

2012-01-31 10:28:48 | インポート

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プティ アルヴィーヌ(Valle d’Aosta Petite Arvine “Vigne Rovettaz”)とセラーの中で目が合い、コンディショニングがちょっと心配でしたが。待ち切れずに抜栓してしまいました。 リストには、本音を言うとワインのコメントはちょっと無理をして書きました。しかし、味わってみるとミネラル感を除き、内容はほぼ的中していると思われました。
コメントは次のように書きました。「フローラルな香りにオレンジ、アプリコット、洋ナシの甘さを感じさせるふっくらした香り。弾力のあるきりりとした酸、ふくよかな果実味には端整で濃密なミネラル感のある味わいがあり。後口の切れのよさと心地よい余韻が続きます。」
エイジングすることでミネラル感が押し出されると期待をしています。その時の構成が楽しみであり、そこからの熟成感がどのように展開するのか。3年後、5年後が思っていたように変化してくれることを願わずには居られません。

サンクト ミケーレ社、アルト アディジェ シャルドネ “サンクト ヴァレンティン”2001

2012-01-25 09:05:39 | ブログ

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シャルドネ “サンクト ヴァレンティン”2001(Chardonnay "Sanct Valentin")は在庫が2本あり、10年目迎え、今回そのうちの1本を抜栓しました。このクラスのイタリアのシャルドネは、これ位のエイジングには充分に耐えられると思っていましたが。香りは複雑すぎて判定不能、何となく言えば、オレンジの砂糖漬けやレモンチェッロの上品な香りに、黄桃のねっちりした香り。輪郭の引き締まったふっくりした酸と果実味は無限に広がる波紋のように展開し、心地よい。ナッツのような芳ばしいアフターテイストはゆったりと残像を描き、華やかな余韻を残します。
以前に味わったことのある、ドルーアン社のモンラッシェ1995と、とても同じ、シャルドネだとは思えないと感じました。モンラッシェは軽やかでいながら抜群に存在感のある香りに、アフターテイストにストロー香。オイリーな印象はなかったように記憶しています。それにしても、特別な美味しさのあるワインであると思っています。
シャルドネ“サンクト ヴァレンティン”の世界観をどのように評価されるか解りませんが。作為のない自然に構成された香りと果実味、熟成しながら輪郭をくっきりさせながら厚みを増してくる味わいが、私にとって魅力的に映ります。


イ ピチェク社、コッリオ マルヴァジーア2007

2012-01-19 09:00:32 | ブログ

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このワインは一年前に購入したワインです。以前に感じていた通りのワインになっていたことが嬉しくてたまりません。 見えない呪縛から解き放たれた、微笑むような柔らかな酸は、私にまで優しい笑みが伝わり幸せな心地にさせてくらます。師走だというのに、もう春の予感めいたゆるりとした味わいに、鼻をくすぐる奥ゆかしく芳ばしいアフターテイスト。旬な洋ナシ、アプリコットの香りに藤の花の香りは凛々しくもあり、優雅でもあり。心がすっかりワインにもてあそばれるような気持ちにさせられました。


お客様からのお気遣い、アマローネ

2012-01-17 10:20:28 | ブログ

Photo 久しぶりの、お客さの気遣い。後片付けをしていると2口ほどの飲み残しがありました。こうゆうことは、あまり書かないのですが。何となく聞こえてくる会話が、少し残して置くように即すような内容で、片付けの最中にその意味が理解でき、久しぶりのような気がして、嬉しくなりました。
森の赤い果実、レーザー、プルーンの香りは複雑に渾然と整っています。酸も滑らか、輪郭のしっかりした柔らかな果実味、優雅な心地よい美味しい苦み。ナッテーなアフターテイストに長い余韻があります。お客さまに励まされているようで、そして、価値観を共有しているようで、仕事の閉めの密かな楽しみです。


アッピアーノ社、アルト アディジェ ピノ ネロ “サンクト ヴァレンティン” 2001

2012-01-02 22:23:32 | ブログ
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今日は恒例の芸能人格付けチェックというテレビを見ていました。一番最初に出てくる高いワインは今まで外したことがなかたのですが。今回は判断をするのにすごく時間がかかってしまいました。グラスに見ることが出来る涙を確認しずらかったことと、オーストラリアの3000円のワイン色合いがひょっとしたらという、余計なことを考え過ぎて迷わされたからです。
確信したのは、色の要素とデカンタの中でいつまでも波打つ様子で決めました。古く偉大なワインであればグリセリンの量が多いはず、ならば、液面が落ち着くのに時間がかかると思ったからです。それにしても、ガクトのヴィンテージに問題があった年ではないかと、コメントしていたのには驚かされる。
それに触発された訳ではないが。今日はシャルドネを飲むつもりでいたが、アルト アディジェ ピノ ネロ “サンクト ヴァレンティン”(Alto Adige Pinot Nero “Sanct Valentin”)2001のピノ ネロに変更しました。比較にはならないワインではありますが。豊かな自然に育まれた無垢な石榴色にガーネットの反射は色からも、育ちの素直さを感じさせてくれます。キノコ、灌木、木イチゴの香りは複雑で、これ以上の表現は無理。しかし、完璧でないところがちょっと不満にさせられました。味わいも同じ不備なところはないのですが。私の期待が大きかっただけに不満。
とは言っても、わずかに現れる苦み以外は美味しく酔わせて頂きました。