コメントは次のように書きました。「フローラルな香りにオレンジ、アプリコット、洋ナシの甘さを感じさせるふっくらした香り。弾力のあるきりりとした酸、ふくよかな果実味には端整で濃密なミネラル感のある味わいがあり。後口の切れのよさと心地よい余韻が続きます。」
エイジングすることでミネラル感が押し出されると期待をしています。その時の構成が楽しみであり、そこからの熟成感がどのように展開するのか。3年後、5年後が思っていたように変化してくれることを願わずには居られません。
シャルドネ “サンクト ヴァレンティン”2001(Chardonnay "Sanct Valentin")は在庫が2本あり、10年目迎え、今回そのうちの1本を抜栓しました。このクラスのイタリアのシャルドネは、これ位のエイジングには充分に耐えられると思っていましたが。香りは複雑すぎて判定不能、何となく言えば、オレンジの砂糖漬けやレモンチェッロの上品な香りに、黄桃のねっちりした香り。輪郭の引き締まったふっくりした酸と果実味は無限に広がる波紋のように展開し、心地よい。ナッツのような芳ばしいアフターテイストはゆったりと残像を描き、華やかな余韻を残します。
以前に味わったことのある、ドルーアン社のモンラッシェ1995と、とても同じ、シャルドネだとは思えないと感じました。モンラッシェは軽やかでいながら抜群に存在感のある香りに、アフターテイストにストロー香。オイリーな印象はなかったように記憶しています。それにしても、特別な美味しさのあるワインであると思っています。
シャルドネ“サンクト ヴァレンティン”の世界観をどのように評価されるか解りませんが。作為のない自然に構成された香りと果実味、熟成しながら輪郭をくっきりさせながら厚みを増してくる味わいが、私にとって魅力的に映ります。