今回、抜栓したイタリアワインはピニャコルッセ(”Pignacolusse” Venezia Giulia I.G.T)2003です。
ピニョーロのワインは20年くらいのエイジングが必要と伝えられていました。特に良年のワインは30年掛かる時もある、と言われていました。正に、辛辣に刺さるような酸、不機嫌な渋みと苦みがあり、若さを楽しめない数少ないワインかな、と思いました。しかし、甘さのある果実味だけで飲み干した感はあります。感想が何も書けません。
エチケットをよく見る、とPIGNACOLUSSEの下にCampi dei Frati e Monache(修道士と修道女の畑)と記されています。意味深げな感は否めません。
今回、抜栓したイタリアワインはカンポフィオリン(”Campofiorin” Rosso del Veronese)2009です。
先日、MASI社の講習会がありました。アマローネ好きの私にとってボトリティスの影響を受け入れるの否かは大きな問題です。マージは貴腐菌の特性を生かしたアマローネ造りをしているカンティーナですが、ホームページ上では徐々に触れなくなっていました。ここが気になり質問をする、とコルヴィーナは45%以上で100%にならないようにしている。ほかのブドウについては最大で5%とか25%、と不確定要素があり公表をためらう状況だそうです。そこで、トレペッシィのワインリストのコメントには「コルヴィーナには45%以上の貴腐菌の影響を受け」、と書き改めました。マージ社には、今以上にボトリティスの影響がアマローネに及ぼす特性を知らしめてほしいと願っています。
さて、当日の余韻を残しつつ、カンポフィオリンです。アマローネには敵わないな、と思いますが、しかし、味わいのディテールに曖昧さが無くなっていると感じました。特別に複雑では無いが緻密に構成された味わいがあります。マラスキーノ チェリー、甘草、灌木、黒砂糖のミネラル感、オレンジのピールの香りは綿菓子のような柔らかさがあり上品。滑らかなタンニン、丸みのある酸と陰影の鮮やかな果実味があります。余韻もやや長めで、澱がかりかりと金平糖のようでした。3年くらい先が、また楽しみなワインでした。