今回、抜栓したイタリアワインはサンジョヴェーゼ ディ ロマーニャ スペリオーレ リゼルヴァ “イル マスティーノ”(Sangiovese di Romagna Superiore Riserva “il Mastino”)2009です。
熱のこもった柔らかな酸にアタックの柔らかなタンニンと細身のすっきりした果実味はエイジングによる充実感が得られます。と、言っても特別な上質感ではなく、充実した味わいが気持ちよく感じられます。トスカーナのサンジョヴェーゼとは、また違った個性だ、と考え違った一面が選択の幅を広げてくれます。
生キャラメル、ダークチェリー、桑の実、バルサムの香りはほのぼのとした穏やかさを感じます。
今回、抜栓したイタリアワインはサンタンティモ “スームス”(Sant’Antimo “Summus”)1997です。セパージュはサンジョヴェーゼ45(40)%、カベルネ ソーヴィニヨン40(35)%、シラー15(25)%。カッコ内は現在のセパージュ、シラーが増えています。そして、品種規定が変わり、それに伴ってI.G.T.の規格へ変更をしています。
セラーに納めて17年過ぎていますが、フレッシュ感は今以って健在です。外観も曇りもオレンジもかかっていません。ふっくらした奥床しい酸とタンニンは包み込むように心のあり様を楽しい場所に持って行ってくれます。このように、味わいの調和が良いとワインの世界に連れて行かれるような感があります。
香りはビター チョコレート、モカコーヒーのロースト香、タバコ、木苺、ヴァニラ。華々しさや複雑さを感じさせないが、輪郭のくっきりした鮮明な印象がある、香りと風味でした。