イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

カサル ディ セッラ

2017-11-28 12:24:43 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラッシコ スペリオーレ “カサル ディ セッラ”(Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore “Casal di Serra”2006です。

 

このカサル ディ セッラは熟成感を楽しむ目的でセラーに寝かせていたのではなく、変化を楽しむためです。しかし、今回はピークを迎えているのか、過ぎているのか微妙な状態でしたが。ぐずぐずな状態ではありませんでした。オレンジにセメダインに成りかけのようなバルサムの香り、ピスタチオ、トウモロコシのポン菓子の香り。当初の印象からは随分とかけ離れた感じがしました。味わいも、ほろ苦さは覆い隠されたような印象、酸はオブラートに包まれたような印象でした。不味いと感じた訳ではなく。予想もしていなかった変化に、このようなことも、有かな、と思いました。

 


マルネ ブルーネ

2017-11-24 14:33:51 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはネッビオーロ ダルバ “マルネ ブルーネ”(Nebbiolo d’Alba “Marne Brune”)2011です。

 

このワインの原産地は、私の記憶に間違えなければ、ロエーロだったはずです。戦略的な意

 

味はよく解りません。しかし、粗砂質泥灰土壌のロエーロの柔らかく穏やかな香りや味わいは、ロエーロそのものだ、と思っています。

タンニンはしっかりとして滑らか、酸はしっとりして柔らか、果実味はくっきりとして円やか。香は様々な要素の入り混じったように感じられました。例えば、シナモン風味のチーズタルトとプーアール茶に一輪挿しの白いバラの光景が思い浮かびました。グラスからは単体の香り一つ一つを拾えず、タバコのような薪の煙のような、焼き菓子かなココアかな、と思いあぐねていました。あれこれ思い浮かべ悩んでいる、と先ほどの光景がふと現れた次第です。厳格なバローロもいいけれど、緩やかな複雑さと穏やかな味わいのネッビオーロもいいものです。


ソアーヴェ

2017-11-17 15:07:01 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはソアーヴェ クラッシコ “レ ビーネ デ コスティオーラ”2011です。

2011年はソアーヴェにとって可もなし、不可もなしの天候でした。にも、拘らずレ ビーネ デ コスティオーラはヴェロネッリで90点、その他に4誌で最高の評価を受けたワインです。3000円程度の白ワインで、これ程の評価を受けるのは稀なことです。

白桃、タンジェリン、ハネデューメロン、ピンクグレープフルーツ等のフルーティーな香りの支配力が強く、ミネラル感を探すのに苦労しました。このミネラル感は焼き芋の皮の土のような香りなのか、ローストした香りなのか、ほかの要素も加わり頭の中が大混乱。柔らかな酸にほろ苦さは魚介料理に向きます。ホタテ、北寄、マテ貝に特にマッチングが良いと思います。ほろ苦さは、一見疑問を挟まれそうですが、たぶん大丈夫だと思っています。本当に美味しさを感じさせてくれるほろ苦さです。


プレーニオ

2017-11-11 21:21:31 | イタリアワイン

今回、抜栓したイタリアワインはヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クッラシコ リゼルヴァ “プレーニオ”(Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Riserva “Plenio”)2006です。

コルクが上がる瞬間から華やかなフルーティーな香りが立ち上ってきました。生き生きとした密に引き締まった香りは熟成感、と言うよりは時間をかけて磨き上げた感じです。そして、よれた処の無い、四隅にまで鮮やかさが行き届いた味わいも熟成された、と言うよりは時間をかけて精緻に作り替えたように感じ。ほっくりしたほろ苦い味わいはミネラル感を伴って香りにまで感じられるようでした。心地よい呑み口は、ゆったりした気分にさせてくれました。