イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

JET CAP対策のワイン

2013-09-24 23:16:16 | ブログ

Vino25日はJET CAPの地方予選、その後、上位20位以内による実技予選を東京で行われます。後日、東京で上位10位による準決勝、さらに3名による決勝戦が行われます。最初から10位以内に入っていなければ、本選には出られないと思います。地方予選では、筆記とテイスティングがあり。その対策のために再確認を含めて、あれこれ試飲をしたワインです。エチケットを見ながらの試飲は知識と五感の情報が一致しますが。ブラインド テイスティングだと、ブドウ品種や原産地呼称を当てることが難しくなります。気休めかもしれないが、何かの助けになれば、と思い試飲をしました。
先々週は白ワインの確認、先週は赤ワインの確認をしました。今回のワインの印象を伝えると、エイジングをしたフミンを初めて飲みました。ブルーベリーにスパイスのアクセントを加えたような香りに、サクランボにスモーキー フレーバーのニュアンスをより添えたような香りが印象的でした。それに似ていたのがラグレインです。複雑な香りはありませんでしたが。価格帯が手頃なわりには存在感を十分に楽しめます。芳ばしい香りとスパイシーな香りをうまく拾うことが出来れば、見分けられるのだが。この時点ですでに混乱を起こしています。もう一つ、ティンティリアがエイジングで酸が柔らかく変化していました。コメントを読み返すと、先を見越して書いた部分が、その通りになっているので安心しました。
この齢で、このような場所に出るのは、気が引けるのですが、私を売り込むために出ようと決めました。依って、本日のランチタイムは1時ラストオーダーで1時30分までの営業です。


フォンタナフレッダ、バローロ セッラルンガ ダルバ 2004

2013-09-21 22:31:55 | ブログ

Baroloserralungadalba 今回のイタリアワインは、バローロ セッラルンガ ダルバ(Barolo Serralunga d’Alba)2004です。ここ2週間くらいの間は手頃なワインを、あれこれと味わっています。今回、予定をしていたワインを取りにセラーに入ると、急に考えが変わり、バローロを味わう事にしました。単一畑のバローロも考えましたが。9のコムーネの一つ、セッラルンガ ダルバ地区のネッビオーロで造られたバローロを選びました。
シナモンやクローブの甘いスパイスの香りにプラム、サクランボの香りがしますが。花のニュアンスやタバコ、なめし革といった香りを期待していたのに、まるで感じられない。2004年という事もあるかもしれませんが。縁にオレンジも掛っていません。色調がマットな感じになってはいるのですが。疲れた感じも、よれた感じもありません。非常に美しい内容です。
四隅が綺麗に整えられた香りと味わいは、とても印象が深いのだが。何か物足りない、思わず「主張はあるか!」と聞きたくなります。グルーブ感の中にアドリブを入れる、崩したり、ノイズを入れたり、何か遊び心を忘れてしまったかのようで、逆につまらない。しかし、これが売れるワインなのだろうと、ブツクサと独り言を言いながら、気持ちよく酔っ払って夢の中。


シャトー酒折 甲州バレル2012

2013-09-14 10:22:23 | ブログ

Img_2158 去年の春、木下商事の試飲会で初めて口にした甲州。それまでは補糖しなければワインにする事が出来ないと、勝手に決め込んでいましたが。ふっくらとしていて、ボデイがしっかりしているので、発酵の際に補糖はしていないと感じました。
アルコール度数が低いのでドライブ感が希薄でしたが、それが幸いして危うげで優雅な立ち振る舞い。その時、羽化したばかりの陽炎が逆光浴びて揺らめいている情景が浮かんできました。今まで、これほど繊細で危うげな液体を口腔の中に含んだ記憶が無いので、とても戸惑ったワインでした。
今年の試飲会では広報を担当している当人と話が出来。テクニカルデーターについては、公開されていないデーターも希望があれば開示していると返答を頂きました。過去の出来事ですが、ブドウ畑を見に行くと天然酵母でアルコール発酵をしていると聞いていたのに、葉っぱに粉っぽい痕が在ったり、ある60kの粉の入った袋が堆く積まれていたり。多少なりヨーロッパのワイン造りを知っている者としては、感覚のずれを感じていました。テクニカルデーターを見たからといって、おおよその事しか解らないのですが。何となくでも、方向性が見えてくる安心感があると思っています。
シャトー酒折の甲州バレルは2,3年後が楽しみなワインだと思っています。エイジングする事で、少し肉付きが良くなり、隠れていた香りの要素が違った形で現れてくれそうな予感がしています。
さて、料理との相性を考えると、壊れそうなくらい繊細なワインなので、素材の良さを楽しむ工夫をされた料理。これしかないと思います。


アリアニコ デル ヴルトゥレ “レ マンフレディ”2001

2013-09-04 10:05:05 | ブログ

Aglianico_del_vulture_re_manfredi

今回のイタリアワインは、アリアニコ デル ヴルトゥレ “レ マンフレディ”(Aglianico del Vulture Re Manfredi)2001です。このワインは旧知のお客様が半分以上飲み残して、置いていかれました。せっかくなので、持ち帰り私が楽しませてもらう事にしました
このワイン産地はヴルトゥレ山の山麓より多少離れた、プーリア州バーリ県寄りのヴェノーサという地区に位置します。特別なテロワールを形成している訳ではありませんが。独自の個性はあります。スパイシーでサクランボ、タバコ、プルンの清々しい香りは、すらりとした華奢な感じがします。しかし、弱々しさはありません。それは味わいにも反映されています。オイリーな味わいもあるので多少の重量感はあります。引き締まった上品な酸とタンニン、風味がよく構成に無駄が無く調和もよい。スパイシーなアフターテイストは心地よく、余韻も楽しくさせられます。
欲を言えば、新しい要素が現れてくれるとか、何か新しい反応をしてくれると、もっと楽しさが倍増するのではないかと思いました。


チロ ロッソ リゼルヴァ “ドゥーカ サンフェリーチェ”2001

2013-09-03 09:31:10 | ブログ

Ciro_rosso 今回のイタリアワインは、チロ ロッソ リゼルヴァ “ドゥーカ サンフェリーチェ”(Ciro Rosso Riserva “Duca Sanfelice”)2001です。リリースされてから10年間のエイジング済ませ、ようやくこの日が来たという感じです。10年前にリブランディーの講習会がありました。その時に何か感じるものがあり、気長に経過を見守るために1ケースを買い置きしました。残念なことは、これが最後の1本という事です。
最後にチェックしたのは7年前くらいだと思います。その時点では、余計なニュアンスが解消されているかなと、思うくらいでした。元々、トゲトゲしい酸やイガイガしいタンニンを感じられなかったので、このままピークを迎え、下降線をたどるのか解りませんでしたが。今10年目を迎え、甘草、ジュニパーベリー、陳皮の香りは、漢方薬屋さんの抽斗を一つ一つ開けたような楽しさがあり。西洋サンザシ、プルーンのドライフルーツのしっとりした香りが後から包み込むようです。穏やかに柔らかい酸とタンニン、ふくよかな果実味を感じました。何か、アマローネを彷彿とさせるワインを思い浮かべましたが。しかし、円熟を過ぎ老熟しているとする見方もあり、判断が難しいところです。後に控えている2005年と2007年はガンベロロッソでトレビッキエーリを取得したワインです。評価本の高評価を、そのままに受け入れてはいけませんが。ひょっとするとリブランディーのチロが良い方向に転換気を迎えたのかもしれません。
ついでながら、1日の日曜日に幌加内の新そば祭りに行ってきました。予期してはいなかったのですが。十割そばを食べ、幌加内高校の生徒さんのブースに並びながらパンフレット見ると、名人と呼ばれる高橋さんブースがありました。三十分くらい待たされとアナウンスされていたので、妻に並んでもらい、私はだれも並んでいない高橋さんのブースでもりそばを頂く、トレイを受け取った瞬間におそばの香りが、鼻腔に突進してきました。一口目から汁を付けずにたぐり、次に汁を付け、ワサビ、大根おろし、長葱の順にたぐって行きました。さすがに半分はかみさんへ。蕎麦はのど越しを食べると教えられて育ったので、コシのある蕎麦に少々抵抗感がある私には、久しぶりにうまいと思いました。歯触り、蕎麦の香りとワサビのグリーンノーツのコラボレーション、大根おろしとハーモニー、長葱との共演に、とても嬉しくなりました。予期せぬ出来事にごちそうさまでした。