A. A. モスカート ローザ “シュヴァイツア”(Alto Adige Moscato Rosa “Schweizer”)は甘口ワインです。食事の後のドルチェが苦手な私は、最近まで甘いを遠ざける傾向にありましたが。趣向が変化してスプマンテですべての食事が対応できるようになってきました。そこからデザート ワインに抵抗感が薄れ、酸の存在感があれば豚肉や羊肉とデザートワインのマッチングも有りかなと、思っています。しかし、ワインと自己の純粋な対話を楽しむためにデザート ワインがあると私は思っています。
ホームページのコメントは次のようになっています。「モスカート ローザ100%を短い6日間のアルコール発酵の後に、ステンレスタンクで12ヶ月間の熟成をされます。色調は透き通るようなルビー色。クローブ、赤い果実のシロップ漬にまとわり付く赤いバラの香り。上品で静かに呻くような酸とタンニンはゆるりと盛り上がった豊かな味わいに心地よい余韻が続きます。」
今はまだ、一本調子の単調な味わいが気になるところですが。エイジングをして複雑さが現れるのかどうかがわかりませんが。暫くの間、様子を眺めて行きたいと思います。
カルミニャーノ(Carmignano Riserva “Le Vigne Alte Montalbiolo” )はカベルネソーヴィニヨンの混醸をいち早く導入をした産地です。そのためかキャンティより2年遅れでD.O.C.G.に認証された経緯があります。長い歴史が有りながら、エリアが狭く生産者も少なく、平均400キロリットル程の生産量しかありません。そのためワインの選択の幅が狭く巡り合える機会がわずかでした。それに資料も少なく特徴をつかみ切れずに、漠然といつか気に入ったワインがあればリストに加えようと思っていました。このカルミニャーノはテラヴェール社ワインのリストを眺めながら、直感で試飲のために買い置きしていたワインです。しかし、カナイオーロの混醸割合が決め手になったのも事実です。
サンジョヴェーゼ70%、カナイオーロ20%、カベルネ ソーヴィニヨン10%をフレンチ トノーで12ヶ月の後に、スロヴェニアン バリックで12ヶ月間の熟成をされます。チョコレート フレーバーの絡んだタバコの香りとスミレ、ダークチェリー、桑の実の輪郭のくっきりした香りは気取りのない上品さがあります。品のよい快活な酸と密に引き締まった厚みのあるタンニンは穏やかな柔らかさに、緻密で鮮明な果実味と相まって斬新に展開し、ゆったりしたスパイシーなアフターテイストにしなやかな余韻が長く続きます。と、ホームページのワインリストにこのように、コメントは書いてありますが。
非常に悩ましかったのが、チョコレートの香りです。思い浮かぶのですがタバコの香りにすり変わったり、ダークチェリーの甘い香りとダブったり、一定をしません。ファーストインプレッションに強くチョコレートと記憶の中に残っているために、事あるごとに邪魔をします。そこで、「チョコレートフレーバーの絡んだ煙草の香り」と、とりあえず書いてあります。それと、ワインは飲み頃を迎えています。味わいは押しの強さはないものの、気取りのない優雅があります。緻密に構成された穏やかな味わいに派手さはないが調和がよく、香り、酸、タンニンすべてが穏やかでキャンティにはない個性があります。