寿司屋さんが使うようなちょい大きめの平目
キアラ
今回抜栓したイタリアワインは、ヴァルポリチェッラ スペリオーレ “ラ バンディーナ”(Valpolicella Superiore “La Bandina”) 2001です。このワインは試飲会以外で初めて味わうワインです。もう少し早くに味わっても良かったのですが。ワインの造りが3年単位くらいで変わっているような気がして、今まで延び延びになっていました。私の印象では、同じようなブドウ品種から造られるバルドリーノから軽さが消え、酸の軽快さが薄れたようになり、ヴァルポリチェッラは果実味のふくらみの輪郭が鮮明になったな、と感じています。アマローネは以前より好きでしたが、最近はこのヴァルポリチェッラやバルドリーノを美味しく感じるようになりました。
ラ バンディーナは老けたような外観にはなっていません。落ち着いたルビー色です。サクランボの香りが真っ先に飛び込んできます。しかし、この香りは灌木か胡椒の香りと絡み合って、上品な香りと味わいをつまらなくしています。残念なのがここで、アーモンドのようなナッツの香りと潅木なのかナツメグのようなスパイスなのか、複雑に絡み合ってくれれば好いのですが、時々不協和音になって混乱してきます。これさえなければ上等な南陽を思わせる果実味と酸、そして、美味しい苦みと伴った滑らかなタンニンに心奪われて、一人悦になっているのに、間の悪い奴と思いながら、いつの間にか朝になっていました。
今回抜栓したワインは、インド産のソーヴィニヨン ブランです。フジヰさんから毎月送られてくるニュースに、インド産スラ ヴィンヤーズのワインを見つけました。数年前、日本の甲州から造られるワインにおぼろげながら、その良さが解りかけつつある時に。インドワインの将来性は日本のワインより期待をされている、とワインライター(名称不詳)のコメントを見つけました。その時は、日本のワイン頑張れと思いました。
一般的な言い方をすればロワールのソーヴィニヨンを思わせるのですが、所々にボルドーのニュアンスを感じさせてくれます。私はボルドーのソーヴィニヨンは、未だに馴染めずにいます。なので、美味しいと感じるスイッチが所々でオフになり、ちょっと不思議な感覚にさせられます。もうひとつの特徴は、酸です。鋭角的な硬さのある酸は、硬さが鋭すぎて唐辛子の辛さのように感じられたことです。違和感といった感じより、何だか楽しい気分にさせられました
ワインは室温に近づき、印象が曖昧になり。私は酔いがまわり、舌にはヒリヒリの印象が次の日にも残っていました。