鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

碁盤忠信図鐔 藻柄子宗典 Soten Tsuba

2011-04-28 | 
碁盤忠信図鐔 藻柄子宗典


碁盤忠信図鐔 銘 藻柄子入道宗典製

 義経の逃避行に関わる伝説は、殊に江戸時代には歌舞伎の演題として多く採られている。義経が奥州から鎌倉に出立した頃から、その側近として活躍した佐藤忠信の伝説もその一つ。
 豪傑で知られる忠信は、屋島において義経の身代わりとなって死んだ継信の弟。京へ向かう最中、吉野で義経に扮して囮となり、義経とは離れ離れとなった。その後を追って京に向かい、義経と巡り会うべく潜伏していたが、そこに追手が迫った。力自慢の忠信は、手近にあった碁盤を片手で掴み上げると、これで太刀を受け払い、殴りつけるなどして応戦した。しかし…。
 鐔は鉄地肉彫地透金銀赤銅素銅象嵌。縁頭は赤銅魚子地高彫金銀色絵。