鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

雲龍図鐔 仙台金工 Sendai-Kinko Tsuba

2012-02-21 | 鍔の歴史
雲龍図鐔 無銘 (鍔の歴史)


雲龍図鐔 無銘 仙台金工

 鉄地の鐔一面に金の線象嵌で雲を描き、その間に龍と裏面に独鈷を配している。龍の身体には点状に金を配して鱗としたものであろう、文様化された図柄で面白い構成である。78.3ミリ。


唐草に龍文図鐔 安親

 古様式の太刀に用いられている分銅形鐔を刀の鐔に意匠した作。過去に紹介したことがある。鉄地肉彫仕立て。楯ともみたが、分銅形鐔の新味ある意匠と考えたほうが面白い。また、耳を構成しているのは獅子であろうかとも考えたが、龍で良いと思う。安親には情緒的な作風や江戸時代の絵画風作品、古典に倣った作など様々あるが、江戸時代中期、金工における創造性は、この安親があってこそ高まったと考えられる。80.5ミリ。