鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

養由基図小柄 松壽軒美長 Yoshinaga Kozuka

2012-04-04 | 鍔の歴史
養由基図小柄 (鍔の歴史)


養由基図小柄 松壽軒美長

 『百発百中』の語源となった弓の名手養由基の伝説。天上高く飛翔する鳥を見事に射抜いたこと、樹に隠れた猿を射抜いたことなどが絵画化されている。縦位置を巧みに利用して天に向かって弓を射た姿と、その先に天をゆく鳥の頭を表に、これを連続させた裏には鳥の翼のみを描いている。構成も巧みであり、古代中国の伝説的な人物像も肉合彫と高彫色絵を複合して表現している。朧銀地に金色絵。松壽軒と号する美長は、水戸の玉川派の工であろう。