桜楓図鐔 埋忠重義


桜楓図鐔 埋忠重義
重義は風景の文様表現など琳派の美意識に通じる世界を鐔の上に展開した明壽の門流。師風に倣って巧みな文様風の風景を彫り描いて人気が高い。殊に鉄地を巧みとし、抑揚のある肌合いに金銀の布目象嵌を施している。この鐔は特に地鉄の工夫という意味では、耳際に虫食い風の鋤彫を加えている。木の幹を暗示しているのであろうか、川辺の岩か。水の流れに降りかかる桜と楓は、春秋の時間を一緒にしており、絵画としてはままみられる心象表現。見事な美空間である。


桜楓図鐔 埋忠重義
重義は風景の文様表現など琳派の美意識に通じる世界を鐔の上に展開した明壽の門流。師風に倣って巧みな文様風の風景を彫り描いて人気が高い。殊に鉄地を巧みとし、抑揚のある肌合いに金銀の布目象嵌を施している。この鐔は特に地鉄の工夫という意味では、耳際に虫食い風の鋤彫を加えている。木の幹を暗示しているのであろうか、川辺の岩か。水の流れに降りかかる桜と楓は、春秋の時間を一緒にしており、絵画としてはままみられる心象表現。見事な美空間である。